2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J40058
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 公子 (竹林 公子) Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | アフリカツメガエル / 初期発生 / 骨形成タンパク質 |
Research Abstract |
〔研究目的〕骨形成タンパク質(BMP)は発生段階の様々な時期と場所で多様な作用を示す。BMPシグナルに対する細胞の応答能は時間的空間的に厳密に調節される必要があり、外胚葉細胞は表皮誘導シグナルとしてのBMPに対する応答能を原腸胚期に失うことが知られている。本研究では、研究代表者がBMPに対する応答能の制御因子として単離したXOct-25転写因子について、その下流因子の探索と機能解析をおこない、応答能の確立および調節機構を分子レベルで明らかにすることを目的とした。 〔研究成果〕研究代表者は、ツメガエル初期胚でXOct-25転写因子が転写活性化因子として働くことを明らかにし、XOct-25によって発現が誘導される下流因子の1つとしてCIB2(C__-ellular I__-nhibitors of B__-MP signaling 2)をマイクロアレイ法によって単離した。CIB2はBMP受容体の下流でBMPシグナルによる表皮形成を抑制することから、BMPシグナルに対する応答能を抑制すると考えられた。CIB2によるBMPシグナル抑制の分子機構を解明するため、細胞内シグナル伝達因子(Smad)のリン酸化に対する影響を解析した結果、CIB2を過乗り発現させた胚でリン酸化Smadのバンドが減少していた。ヒト培養細胞を用いても同様の結果を示し、さらにCIB2がSmadと結合することがわかった。また、CIB2がBMPシグナル抑制と神経後方化シグナル因子FGFシグナルの両方と協調して神経誘導と神経後方化を強めること、さらにFGFシグナルによる前方神経の後方化にはCIB2の機能が必要であることがわかった。以上の結果から、CIB2は外胚葉の神経・表皮の細胞運命決定に重要なBMPシグナルに対する応答能を制御すること、神経の前後軸パターン形成過程でBMP抑制とFGFシグナルの両方と協調して働くことが示唆された。
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Research Products
(2 results)