2006 Fiscal Year Annual Research Report
疾患組織中のタンパク質に対するアプタマーの探索及び設計
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06J50292
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
野間 崇央 東京農工大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アプタマー / 神経変性疾患 / プロテオミクス |
Research Abstract |
本年度は神経変性疾患で見られる凝集体を、核酸のリガンドであるアプタマーを用いて解析するため、モデル組織を使い解析法の最適化を行った。 アルツハイマー病などの神経変性疾患では、脳内にタンパク質の凝集体などが見られ、疾患による認知障害などとの関連が研究されているが、その発症機構などは不明な点が多い。しかしこれらの凝集体は、希少であるため精製や機能の解析が難しく、治療法を開発する上で障壁となっている。 申請者はこれまでに、組織中のタンパク質に対するアプタマーの新規探索法を開発している。この方法を応用すれば、凝集体中の未精製のタンパク質に対してアプタマーを選択でき、疾患関連タンパク質の精製や機能の解析が効率良く行える可能性がある。 凝集体が含まれる検体は非常に貴重なため、本年度は、まず筋肉組織をモデル組織に用いて、凝集体を解析する方法の最適化を行った。最適化は以下の2点、(1)アプタマーの選択に必要なタンパク質の量、(2)標的タンパク質の同定法、について行った。 まず(1)についてだが、前述したように疾患組織は貴重であり、凝集体に含まれるタンパク質の量も希少なため検討を行った。その結果、凝集体からも調製が可能な100ng程度のタンパク質があればアプタマーが選択できることが示されたため、凝集体を対象にしてもアプタマーを選択できることが示唆された。 次に(2)標的タンパク質の同定法について検討した。まず筋肉由来のタンパク質を2次元電気泳動し、選択したアプタマーとの結合を検出することで、等電点や分子量から、標的タンパク質を推定することが出来た。標的タンパク質が未知の場合は、ゲルから標的タンパク質を単離し同定する必要があるが、標的タンパク質を同定するための土台を構築することが出来た。 以上の結果から、今後は凝集体を対象にアプタマーを選択できると考えられる。
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Research Products
(1 results)