2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物の新規カルシウム結合タンパク質に関する生化学的・分子細胞生物学的研究
Project/Area Number |
06J50432
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長崎 菜穂子 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カルシウム結合タンパク質 / 不規則構造タンパク質 / PPIIヘリックス |
Research Abstract |
RVCaB 大腸菌発現系を用いてRVCaBを作製し、高純度標品を大量に精製した。これを用いて円二色性(CD)スペクトルと示差走査型熱量計(DSC)による解析を行い、RVCaBは約25%のPPII(polyploline type II)ヘリックス構造と75%の長大な不規則領域を含むきわめてユニークな分子であることを明らかにした。また、2種のTrp導入変異体2種を作製し、蛍光スペクトルと等温滴定型熱量計(ITC)を用いて解析を行った。これらの結果から、RVCaBのもつCa^<2+>の高結合能(22mol Ca^<2+>/mol RVCaB)はPPIIヘリックス構造と不規則領域によって成立していると推測した。(これらの結果については現在Journal of Biochemistryに投稿中である。) AtCaB4 オルソログと考えられたAtCaB4については細胞膜への局在を明らかにした(Ide, Y. et al.(2006) J.Exp.Botany doi:10.,1093/jxb/erl284)。N末端にはミリストイル化シグナルと推測される配列が存在する。そこで,AtCaB4のN末端ペプチドとのGFP融合タンパクの一過的発現観察を行いNミリストイル化による細胞膜局在の可能性を強く示唆するデータが得られた。また,Ca^<2+>とCu^<2+>,ホスホイノシチドとの相互作用についても新たに見出した。さらに大腸菌発現系を用いてリコンビナントタンパクを作製し,高純度標品の大量精製系を確立した。これを用いたDSCとCDスペクトルによる解析より,RVCaBとは異なりαヘリックス構造と不規則構造を含むことを明らかにした。
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