2006 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場印加による配向ハイドロキシアパタイト生体材料の作製及び評価
Project/Area Number |
06J50452
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋山 順 名古屋大学, 大学院工学研究科・特別研究員(DC2-21COE)
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Keywords | 強磁場 / 結晶配向 / ハイドロキシアパタイト / 材料電磁プロセシング / 生体材料 / セラミックス |
Research Abstract |
本研究は材料電磁プロセッシングによる結晶配向ハイドロキシアパタイト(以下、アパタイト)生体材料の作製、およびその生体親和性評価を行った。以下に研究成果を示す。 1.磁場中モールド回転下における非磁性物質の配向挙動解析 磁場中におかれた非磁性結晶の配向挙動を三次元的に解析した。その結果、全ての操作条件で印加磁場強度が高いほど、また媒体の粘性係数が小さいほど配向時間が短くなる静磁場印加系と異なり、回転磁場印加系においては磁場強度が低いほど、また粘性係数が大きいほど配向時間が短縮する操作条件が存在することを解析的に見出した。また、反磁性高分子繊維を用いたモデル実験により解析結果を実証した。 2.強磁場印加によるアパタイトバルク体の結晶配向制御 回転磁場印加による非磁性結晶の配向プロセスをHApバルク体作製に適用した。その結果印加磁束密度10T、スラリー粘性係数35mPa・s、回転速度0.3rad/s、脱水時間24hrsの条件で、高い一軸配向性を有するアパタイトバルク体を得ることに成功した。またスラリーに繊維を添加する手法により、直径約300μmの細孔を有する配向焼結体を作製した。 3.高配向アパタイト焼結体の生体親和性評価 磁場中スリップキャスティングにより作製したa面、c面それぞれに配向したアパタイト焼結体を擬似体液(C-SBF)に所定時間浸漬し、表面におけるリン酸カルシウムの析出形態を電子顕微鏡により観察することで結晶面毎の生体親和性を評価した。析出層の厚さの経時変化を画像より計測したところ、浸漬時間3日迄の間では、どの時点においてもc面配向試料が最も厚く析出し、次いで無配向、a面配向試料の順となった。また浸漬開始後12時間から24時間における析出量の差が顕著であり、結晶面による析出量の差異は特に浸漬初期に現れることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)