2006 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニック結晶面発光レーザの高出力化とビーム形状制御に関する研究
Project/Area Number |
06J50572
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒坂 剛孝 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 2次元フォトニック結晶 / 面発光レーザ / 面垂直光閉じ込め / 消失性干渉 / ひし形格子点 / 正三角形格子点 / V字形状格子点 / 誘電率反転 |
Research Abstract |
本年度の研究では、新しい格子点形状による更なる高出力化および2次元発振実証のために1,大型計算機を用いたFDTDシミュレーションによる理論解析および2,デバイスの作製を行った。 1,まず高出力化のために消失性干渉低減に有効な格子点形状の探索を系統的に行った。単一偏光光を得るために一軸に関する対称性は維持しつつ、これと直交する軸に関する非対称性を大きくする目的で、ひし形〜正三角形〜V字形状における面垂直光閉じ込め特性について無限周期構造の3次元モデルを用いた解析を行った。ここで注意する必要があるのは、消失性干渉低減のために面垂直光閉じ込めを小さくしすぎると、他のモードの方が発振しやすくなり所望のモードでの安定した発振が得られなくなることである。そこで、比較的光閉じ込めが大きく発振する可能性のあるバンド端Aとバンド端Bの両方について、系統的な解析を行った。その結果、バンド端Aに関しては格子点形状を非対称化することにより面垂直光閉じ込めが単調に減少する。一方、バンド端Bでは格子点形状を非対称化しても面垂直光閉じ込めがあまり変化せず、バンド端Aよりも面垂直光閉じ込めが大きくなる。さらに、フィリングファクターを同程度に保ちながら誘電率分布を反転させた場合の効果を調べる目的で、上記形状を真円から抜き、真円内部で誘電率が反転している形状についても調査を行った。この場合、バンド端A, Bの面垂直光閉じ込めの大小を反転できることが分かった。この場合、より安定にバンド端Aでの発振が得られることが期待される。 2,面垂直光閉じ込め低減による効率改善が期待されるV字形状格子点についてデバイスを作製して評価を行った。その結果、バンド端Aにおける単峰ビーム発振が得られ、従来の正三角形格子点を超えるスロープ効率46%が得られた。
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