2006 Fiscal Year Annual Research Report
鉄硫黄クラスター合成系(SUFマシナリー)の心臓部SufBCD複合体の構造と機能
Project/Area Number |
06J50642
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北岡 伸太郎 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 鉄硫黄クラスター / SUFマシナリー / X線結晶構造解析 / ATP分解酵素 |
Research Abstract |
鉄硫黄クラスター合成系SUFマシナリーの中で、中心的な役割を果たすと推定されるSufBCD複合体の機能及び構造の解明を目的に、以下の実験を実施した。 大腸菌において、大腸菌由来sufオペロン全体を過剰発現させ、可溶性画分にSufBCD複合体を発現させることに成功した。さらに、上記の組み換え大腸菌を大量培養し、高純度のSufBCD複合体を精製する系を確立した。精製したSufBCD複合体サンプルを用いて、ゲルろ過クロマトグラフィー、動的光散乱法、SDS-PAGEによって複合体の分子量ならびに複合体中のSufB、C、Dの構成比率を見積もることに成功した。また、結晶化条件スクリーニングを行なった。 さらに、大腸菌以外のsuf遺伝子もターゲットとして研究を行った。高度好熱菌Archaeoglobus fulgidusはiscS、iscU、sufB、sufC遺伝子をもっており、これらが鉄硫黄クラスター合成に関わっていると考えられる。Afulgidus由来SufBC複合体と大腸菌由来SufBCD複合体は類似した構造と機能をもつと考え、その解明を目的として以下の実験を実施した。A.fulgidus由来のSufBCホモログの発現プラスミドを構築し、大腸菌での過剰発現に成功した。さらに、高純度精製系を確立し、得られたサンプルを用いて結晶化スクリーニングを行なった。その結果、複数の条件で結晶を得ることに成功し、条件の最適化を行なった。SPring-8におけるX線回折実験の結果タンパク質結晶由来の回折点を確認することができた。
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