2006 Fiscal Year Annual Research Report
微生物由来マクロファージ泡沫化阻害剤beauveriolideに関する研究
Project/Area Number |
06J50901
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大城 太一 北里大学, 大学院感染制御科学府, 特別研究員DC2
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Keywords | 動脈硬化 / 脂質代謝 / ケミカルバイオロジー / マクロファージ / ACAT |
Research Abstract |
本研究は、マクロファージ(Mφ)泡沫化阻害剤beauveriolide(Mφ内のアシルCoA:コレステロールアシル転移酵素(ACAT)を阻害する)を基盤に研究を進めた。まず本研究で重要なACATアイソザイムに対する阻害の選択性を観察する評価系をACAT1及びACAT2発現CHO細胞を用いて、細胞レベル及び酵素レベルで構築した。BeauveriolideのACATアイソザイムに対する選択性を評価した結果、細胞レベルでは比較的ACAT1を選択的に阻害した。さらに我々の研究グループが発見した微生物由来ACAT阻害剤についても評価した結果、ほとんどのACAT阻害剤がACAT1とACAT2の両アイソザイムを阻害したのに対し、pyripyropene AはACAT2を選択的に阻害した。Pyripyropene Aは、これまで報告されているACAT阻害剤の中で、唯一のACAT2選択的阻害剤であることが明らかとなった。また、これまで未確定だったbeauveriolide IIIのヒドロキシ酸部分の立体を(3S,4S)-3-hydroxy-4-methyloctanoic acidと決定した。さらにこのヒドロキシ酸部分の立体が異なる4種のbeauveriolide III立体異性体のMφ泡沫化阻害活性及びACATアイソザイムに対する選択性を評価した結果、阻害活性発現にはヒドロキシ酸の3Sの立体が重要であることが明らかとなった。さらにコンビケムの手法で合成した300種のbeauveriolide誘導体のACATアイソザイムに対する選択性を評価した結果、ACAT1選択的阻害、 ACAT2選択的阻害、 ACAT1とACAT2の両方を阻害するというさまざまな選択性のプロファイルを示した。
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Research Products
(4 results)