2006 Fiscal Year Annual Research Report
湿式法を用いた半導体デバイス作製のための新規プロセス開発と評価
Project/Area Number |
06J51032
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉野 正洋 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 無電解めっき法 / 有機分子膜 / ULSI / 拡散バリア層 / Ni / Co |
Research Abstract |
ULSI微細Cu配線の新規形成手法の提案と設計、諸条件の最適化を行った。従来の配線形成手法である乾式法に対し多くのアドバンテージを有する湿式法、特に無電解めっきに着目して検討を行った。 本研究の基材には基本的な絶縁体材料であるSiO_2に加え、低い誘電率を示すSiOC基板等を選定し検討を行った。無電解めっき法により薄膜を形成するには被修飾基板表面が、無電解めっき溶液中の還元剤の酸化反応に対し触媒活性を有することが必須となる。この触媒活性の付与には有機単分子膜による表面修飾法を提案した。有機分子には末端にアミノ基を有するシラン分子を用いた。当該研究においては、触媒金属(Pd)の担持量、状態は有機分子の鎖長、末端のアミノ基の状態および存在量大きく影響を受けることを明らかとし、その最適な有機分子の選定に到った。有機分子膜の成膜に際し、基板の表面処理、改質が有効となることも見出した。 現在、配線材料として用いられているCuは、直接基板(SiO_2、SiOC等)に接した場合、容易に基板内に拡散し、その特性を劣化させるということが知られており、配線形成プロセスにおいては、この拡散を防ぐバリア層が必須となっている。このバリア層には、従来から検討を行ってきたNi系合金膜を用いた。Ni系合金膜をバリア層として用いた場合、膜厚20nm程度で良好な拡散防止特性を示すことが示された。Ni系合金浴に使用している還元剤(ジメチルアミンボラン)の活性が高いため、基板上での初期核の発生は緻密に起こるが、薄膜での膜厚制御が困難であった。一方、Co系合金浴では、溶液中で金属結晶の成長が優先して起こりやすいため、高密度に初期核を形成することが困難であった。 そこで、CoWP/NiB二層型バリア膜を提案した。ここで、析出活性の高いNiB膜は下地層として、析出速度が遅く、膜厚制御の容易なCoWPはバリア層として用いている。このような、2種の異なった性質をもっ無電解めっきを組み合わせることで、困難とされていた10nm以下の薄膜バリア層の形成を達成した。Cu配線の形成においても、無電解めっき法を適用し、湿式法によるULSI配線形成プロセスを達成した。
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Research Products
(4 results)