2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J52043
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金 勲 Hokkaido University, 大学院・法学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中国 / 韓国 / 保険契約 / 消費者保護 / 約款規制 / 保険約款 / 免責条項 / 中国判例 |
Research Abstract |
本研究は、比較法的手法を用いて保険契約における消費者保護法理を考察し、保険契約の特質は消費者保護法理の例外としてどこまで認められるべきかという問題を検討することを目的としている。具体的には、保険約款の編入規制、解釈規制、内容規制における韓国と中国の現状を検討することにより、保険契約固有の属性と消費者保護法理との関係を比較法的に検討した。 韓国・中国はすでに保険契約法の中に消費者保護法理が導入され条文化されている。また韓国では約款規制法が制定され、中国では契約法の中に約款一般の規制に関する条文が設けられている。しかしながら、新たに導入されたこれらの消費者保護法理は具体的事件の解決に当たっては保険契約の本質に関わる問題と抵触する場合があり、判例・学説は約款の編入規制と保険契約の拘束力の問題、免責条項規制と保険担保範囲の問題など様々な論点を巡って見解が錯綜している。本研究では、消費者保護法理と保険契約特質との拮抗という視点から、消費者保護一般法理の中で保険契約の特殊性は認められるべきか、認められるなら保険契約の特質は如何に具現されるのかについて検討した。本研究では無免許・飲酒運転を巡る裁判例を素材として検討した。 以上の作業を行うために、本研究ではまず韓国と中国の立法及び法理論の現状を検討した。具体的には、韓国の保険契約法、約款規制法の立法と関連判例・学説、中国の保険法、契約法、消費者保護法と関連判例・学説を検討した。さらに、韓国における保険法と約款規制法との適用関係を巡る議論を中心に保険契約の特殊性と消費者保護法理との理論的関係を検討した。最後に、韓国と中国における無免許・飲酒運転判例を素材として日本法と比較しつつ、保険契約と消費者保護法理との関係を具体的に検討した。
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