2006 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送関連分子STAMs/Hrsの抗原提示における役割の解析
Project/Area Number |
06J52072
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玉井 恵一 東北大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 樹状細胞 / Hrs / STAM / 抗原提示 |
Research Abstract |
Hrs knock down HeLa細胞において,連鎖球菌の細胞内分解が遅延する事が明らかになった。この時,細胞内では連鎖球菌を包むオートファゴソームが出現しており,Hrs knock down細胞では、そのオートファゴソームがリソソームと融合できないために連鎖球菌の分解効率が落ちる事を明らかにした。このことにより、Hrsは細胞内細菌に対してオートファジーを介した防御機構に関わる事が示唆された。 また、STAM/Hrsの抗原提示における役割を明らかにするために,まず細胞株DC2.4にレトロウイルスベクターを用いてHrsに対するshRNA発現ベクターを導入し,Hrs knock down細胞株を樹立した。この細胞株は、LPSおよびOVA刺激において細胞表面のMHC class II, CD40,CD80といった活性化マーカーが有意に上昇する事が明らかった。また、LPSおよびOVA刺激に対するサイトカイン(IL-6,TNF-α,IL12)産生量も有意に増大する事がわかった。BSA, OVAの分解効率はHrsの有無にかかわらず同じであった。細胞表面に表出しているMHC-class II, CD40,CD80は、Hrs knock down細胞にて多い傾向にあるが,細胞内も含めたMHC-class IIの総量はHrsの有無に関わらず同じであった。以上の事より、Hrs knock downによる抗原提示能の賦活化は,MHCが細胞内から細胞表面へ輸送される部分の以上である事が示唆された。
|