2006 Fiscal Year Annual Research Report
排便に援助が必要な在宅要介護者を介護する家族への効果的な訪問看護師の援助
Project/Area Number |
06J52173
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
辻村 真由子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 排便ケア / 訪問看護 / 家族介護者 / 在宅要介護者 / 看護援助 |
Research Abstract |
平成18年度は,排便に援助が必要な在宅要介護者を介護する家族介護者への効果的な訪問看護実践のモデルを開発するために,以下のことを行った。 1.排便ケアに関する国内外の文献検討を行った。国内文献において在宅における排便ケアに関する研究は少なかった。一方,海外文献においては無作為化試験により地域在住高齢者の排便障害に対する介入効果を検討した研究等がみられたが,日本の訪問看護利用者の特徴,訪問滞在時間,看護師の裁量範囲等において適用が難しいものがほとんどであった。 2.訪問看護実践における排便に援助が必要な在宅要介護者を介護する家族介護者への支援の方向性を検討するために,修士研究で得られた家族介護者に対するインタビューデータの再分析を行った。その結果,家族介護者の排便ケアに対する適応の状況は,《排便ケアを要する要介護者の状況を受け入れる》《便に対する生理的嫌悪感・抵抗感が和らぐ》《排便ケアの手際を会得する》《要介護者の排便をコントロールする》《他者の協力を得ながら排便ケアに取り組む》《排便ケアを訪問看護師に完全に委ねる》にまとめられ,排便ケアに対する家族介護者の適応の様相が明らかとなった。この結果については,現在,学術雑誌に投稿中である。 3.訪問看護における排便に援助が必要な在宅要介護者を介護する家族介護者への看護実践知を収集するために,日本国内(千葉・石川・沖縄)における現地調査および全国6都県(福島・千葉・群馬・東京・神奈川・沖縄)における熟練訪問看護師19名へのインタビュー調査を行った。熟練訪問看護師は,文献および研究者のネットワークから対象者を選定し,排便ケアに関する家族支援がうまくいったケースに関する援助過程について半構成的面接を行った。 以上の結果をもとに,排便に援助が必要な在宅要介護者を介護する家族介護者への効果的な訪問看護実践の援助指針を作成し,現在,精錬を試みている。
|