2006 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織での脂肪新生・血管新生の可視化によるメタボリックシンドロームの病態解明
Project/Area Number |
06J52201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 智 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 分子イメージング / 脂肪 / 肥満 |
Research Abstract |
本研究では、肥満を基礎とするメタボリックシンドロームの病態解明を目指し、分子イメージング手法を中心に、肥満における脂肪組織リモデリング機能異常とその背景にある分子機構を検討している。基礎技術については既に確立され、複数の細胞種からなる脂肪・骨格筋組織の三次元的な形態変化および機能異常を明瞭に描出することに成功している。肥満動物モデルの内臓脂肪では脂肪細胞の肥大化とともに、小型脂肪細胞分化と血管新生像が共存していた。同部位には、血管網より枝分かれした新生血管の断端と血管内皮前駆細胞と同様の形質を有した細胞浸潤を認め、局所でのVEGFと活性酸素の産生が亢進していた。VEGF中和抗体を肥満マウスに投与すると、血管新生のみならず、脂肪細胞分化も抑制され、内臓肥満の抑制とインスリン抵抗性の改善が観察された。ここまでの研究成果については、2007 Diabetes誌に印刷中である他、2006.10.第27回日本肥満学会(Hot Topicsに選定),2006.11 アメリカ心臓病学会,2006.12.第23回国際心臓研究学会(YIA受賞)、2007.3.第71回日本循環器学会(Featured Research Sessionsに選定)を含む多数の国際国内学会での発表を行っている。また、本イメージング手法を心筋細胞に応用することにより伸展刺激応答チャンネルの動態を明らかにし、研究成果については2006 Cardiovascular Research誌、2006 Nature Protocols誌にそれぞれ掲載された。 最近、研究分野を拡げ本手法を生体内末梢組織に適応することにより、肥満脂肪組織における接着分子発現パターンの変化、血小板・マクロファージの局所での活性化が、マクロファージの接着・遊走の増加、局所血流異常、血管内皮機能障害を引き起こすことが明らかとなってきている。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Adipogenesis in obesity requires close interplay between differentiating adipocytes, stromal cells and blood vessels
Author(s)
Nishimura S, Manabe I, Nagasaki M, Hosoya Y, Yamashita H, Fujita H, Ohsugi M, Tobe K, Kadowaki T, Nagai R, Sugiura S.
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Journal Title
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