2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J52323
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 良典 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ジェネットサイズ / 雄性繁殖成功 / 雌性繁殖成功 / 実験個体群 / 自然個体群 / 保全生態学 |
Research Abstract |
【目的】 本研究では、空間構造のうち、特にジェネットサイズ(そのジェネットを構成するラメット数)の違いがサクラソウの雄性および雌性繁殖成功に与える影響を調べ、個体群の存続と異型花柱性の維持に重要な条件を明らかにすることを目的とする。空間構造以外の要因が繁殖成功に与える影響を排除するため実験個体群での実験と、空間構造(特にジェネットサイズ)がどの程度繁殖成功に影響をしているのかを調べるため自然個体群での実験を行う。 【1.実験個体群での雌性・雄性繁殖成功度の測定】 (1)雌性繁殖成功について 結果率・結実率はともに、ジェネットサイズが大きい場合、並びに和合な交配相手の存在比率が偏る場合に有意に減少した。 (2)雄性繁殖成功について マイクロサテライトマーカーを用いた親個体の遺伝子型の決定を行った。現在採集した種子の遺伝子型を解析中である。 【2.自然個体群での雌性・雄性繁殖成功度の測定】 様々な環境に生育し、広いジェネットサイズレンジを持ち、比較的孤立した6局所個体群を選定し、ラメットマップを作成した。 (1)雌性繁殖成功について この6局所個体群内の全ての開花ラメット((2,029ラメット)から全ての果実(10,631果実)を採集し、それらの全ての種(284,003個)をカウントした。ジェネットサイズはラメット当りの平均種子数に対し、有意に負の影響を及ぼしている事が分かった。 (1)雌性繁殖成功について マイクロサテライトマーカーを用いた親個体の遺伝子型の決定を行っている。得られたデータから6局所個体群の内で最も効率よく父性解析を行える個体群を選定し、種子の遺伝解析を行う予定である。
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