2006 Fiscal Year Annual Research Report
地震時の建物被害に与える表層地盤の非線形増幅特性の影響
Project/Area Number |
06J52382
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関口 徹 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 地震動 / 表層地盤 / 非線形 / 強震記録 / 建物被害 |
Research Abstract |
2004年新潟県中越地震の際、1Gレベルの強震記録が得られた小千谷市内の2地点(K-NET、JMA)の強震記録について検討し、加速度振幅レベルによって両サイトの地震動特性が大きく異なることを示している。次に、2地点でのボーリング調査、PS検層、サンプリング試料の室内動的変形試験などから、両地点とも表層と礫層とのインピーダンスのコントラストの比較的高いサイトであること、K-NETの高有機質土は極めて弱い非線形性を持つことを示している。さらに、強震記録を用いた地震応答解析を行い、両地点における本震時の地表における地震動特性(卓越周期の伸び)の違いに、表層3m程度までのS波速度構造とその非線形性状が大きく影響したことを示している。 新潟県中越地震において住家建物に多大な被害が生じた時水・吉谷地区を含む小千谷市内で、ボーリング調査、微動および地震観測を実施し、当該地区の地盤構造と地震動特性の空間分布が大きく変化し、同様の微動・微小地震動特性を持つ地点であっても、地盤構造(土質およびS波速度構造)や本震時の住家建物全壊率が大きく異なる場合があることを示している。さらに、これらの結果に基づく表層地盤モデルの地震応答解析を行い、被害程度の異なる複数の地点における推定された本震時の木造建物の最大応答変形角が、新潟県中越地震における住家建物被害率と調和的な結果となったことを示した上で、小千谷市内の住家建物全壊率が、軟弱な高有機質土層が堆積する市中心部のK-NET付近では比較的低く、時水・吉谷地区で高くなった原因として、表層地盤の非線形性状の違いにより本震時の地震動特性(地盤せん断振動の1次固有周期の伸び)が大きく異なった可能性のあること、この固有周期の伸びの違いに起因する地表地震動の周期1-3秒程度の成分の違いが、住家建物被害に大きく影響した可能性のあること示している。
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Research Products
(3 results)