2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J52472
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鄭 英君 新潟大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ドーパミン神経 / 神経栄養因子 / 上皮成長因子EGF / 神経発達 / 上皮成長因子受容体ErbB1 |
Research Abstract |
1)外来性栄養因子の効果を評価; 新生仔マウスでは皮下投与された栄養因子(EGF;IL-1)が脳血液関門を通過して、脳実質に作用することを免疫染色法で実証した。EGFやGDNFは中脳分散培養系においてドーパミン合成酵素(TH)陽性のドーパミン神経細胞の突起伸長させることが判明した。EGF過剰発現トランスジェニック(Tg)マウスでその活性をIn Vivoで確認したところ、その結果EGF-TgマウスではTH発現量が野生型より27%ほど増加していた。更に、ドーパミン神経の細胞活動性に対して影響を、TH-GFPトランスジェニックマウスより調整した培養ドーパミン神経細胞のパッチクランプ法により計測した。結果、中脳ドーパミン神経細胞の発火数がこの神経栄養因子の添加で2.5倍ほど増加していることが判明した。 2)内在性栄養因子の作用を評価; EGF受容体(ErbB1)の免疫染色法抗体で中脳切片を組織染色した結果、中脳黒質の多数ドーパミン神経細胞がErbB1陽性であることが示された。一方、中脳分散培養系にErbB1の阻害剤を投与することによって、中脳ドーパミン神経細胞の突起伸張への影響が消失した。次にEGFがIn Vivo線条体への軸索投射に対しても影響を持つかどうかを解析するために、新生仔ラットにErbB1阻害剤を投与し、線条体でのTH発現量を解析した。線条体のTHウェスタンブロットを行った結果、免疫染色と同様にErbB1阻害剤を投与によってTH発現量が低下した。これらの結果は実際にErbB1阻害剤が線条体への軸索投射を阻害することを証明しているものと考えられる。これらの知見によってEGFやその類縁体は中脳ドーパミン神経の発達を促進的に調節していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)