2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J52482
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
HOANG Manh Thang 長岡技術科学大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カオス / 秘匿通信 / 動機現象 / 多重遅延系 |
Research Abstract |
遅延カオス系に代表される複雑系は、これまで物理・工学系において精力的に研究されてきた。しかしながら、その制御法、とりわけ同期手法に関する研究はほとんど解明されておらず工学的応用が渇望されているが、十分な研究成果が得られていないのが現状である。また、高度情報化に対する要望が高まる中、情報の秘匿性を高めるために、CDMAに代表されるような広帯域通信システムに関する技術的要求が益々高まっている。また、遅延カオス系の複雑性を通信系に応用することにより、通信容量の拡大、秘匿性の向上が期待される。一方、非整数解微分系のカオス特性については、幾つか報告されている(A Chaos Neuron Model with Fractional Differential Equation : T.Matsuzaki and M.Nakagawa, J.Phys.Soc.Jpn.Vol.72,No.3(2003)pp.2678-2684.)が、そのモデルの同期系・通信系への応用に関してはほとんど未開拓である。とりわけ、遅延を有する非整数階微分系におけるカオス制御法については、これまで報告されていない。さらに、応用の面からは、フラクショナル微分系,特に分数微分遅延系を生成できる方法は報告されていない。 1)そこで、本申請課題では、遅延カオスシステムにおける安定性の高い新規同期手法を提案し、秘匿性の高い通信システムへの応用の1つとして、遅延カオス同期通システムを取り上げ研究を進めた。 2)多重遅延カオスシステムの同期現象を利用した秘匿通信システムを提案し、その有用性を明らかにした。
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Research Products
(3 results)