2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J52722
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横江 俊一 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 糖鎖 / 増殖因子受容体 / 癌 / 糖尿病 / 心筋細胞 / カルシウム |
Research Abstract |
研究目的 生体における糖鎖の生理的役割を明らかにし、疾病との関わりを解明することが目的である。糖鎖は、多くの膜タンパク質や分泌タンパク質を修飾し、その機能を制御していると考えられている。結合の様式からN型糖鎖とO型糖鎖に大別されるが、本研究では特に、増殖因子受容体の一つであるErbB3のN型糖鎖と、カルシウムシグナルタンパク質であるホスホランバンのO型糖鎖の生理的役割を明らかにすることを目的とした。 研究方法 1,ErbB3の糖鎖付加部位の変異(Asn^<418>→Gln)により、リガンド非存在下でホモ二量体やヘテロ二量体が形成され、下流のリン酸化が増強されることがin vitroで明らかになった。そこで本研究では、変異型ErbB3と野生型ErbB2を共発現させた細胞株をヌードマウスに注射することにより、腫瘍伸展に影響がないかをin vivoでも観察することを試みた。 2,ホスホランバンがO-GlcNAc修飾されていることを確認するため、ホスホランバンとO-GlcNAcの抗体を用いた共沈実験を行った。さらに、ホスホランバンのO-GlcNAc修飾が、リン酸化ならびに心機能に影響がないかどうか調べるため、リン酸化抗体を用いたウエスタンブロットや、ラットの心臓から単離した心筋細胞に1〜3Hzの電気刺激を与え、カルシウムトランジェントを測定することを、O-GlcNAc修飾の有無で比較検討した。 研究成果 1,変異型ErbB3と野生型ErbB2の共発現細胞株は、野生型ErbB3と野生型ErbB2の共発現細胞株と比較して、ヌードマウスにおける腫瘍伸展が促進されることを観察した。 2,ホスホランバンがO-GlcNac修飾されていることを確認し、リン酸化ならびにカルシウムトランジェントなどの心機能が影響を受けていることを観察した。
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Research Products
(1 results)