2006 Fiscal Year Annual Research Report
分泌経路を制御する亜鉛輸送分子に関する分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
06J52783
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
房 月 神戸大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | タンパク質 / シグナル伝達 / 遺伝学 |
Research Abstract |
カルシニューリン(CN)は酵母からヒトに至るまで高度に保存されたCa^+/カルモジュリン依存性タンパク質脱リン酸化酵素であり、免疫抑制薬FK506、シクロスポリンAの標的分子である。カルシニューリンの細胞機能は非常に多彩である。免疫応答や心臓発生、さらに神経可塑性など、多種多様な生体機能に関与することが明らかにされてきたが、これらの多様な機能におけるカルシニューリンの分子レベルの作用機構はまだ不明な点が多い。 カルシニューリンと機能的に関連する遺伝子を同定するために、野生株を変異原処理し、免疫抑制薬感受性変異体を分離した。さらに、カルシニューリンノックアウト細胞がCl^-感受性を示す事にヒントを得て、免疫抑制薬感受性に加えてCl^-超感受性を示すcis (chloride and immunosuppressant sensitive)変異体を分離した。本研究ではcis4変異体に着目し、機能解析を行っている。 現在までに以下の結果を得ている。 1.cis4^+遺伝子がコードするCis4タンパク質は、CDF (cation diffusion facilitator) familyに属している。 2.Cis4タンパク質はcis-golgiに局在する。 3.cis4^+遺伝子をノックアウトするとCl^-超感受性を示した。 4.cis4変異体およびノックアウト株のCl^-超感受性は亜鉛の添加により抑圧されたので,Cis4タンパク質はゴルジに亜鉛を輸送するトランスポーターであることが示唆された。 5.cis4変異体およびノックアウト株Rabタンパク質の変異体であるypt3-i5と遺伝学的関係を示した。 6.ypt3-i5の温度感受性が亜鉛の添加により抑圧されたので,亜鉛および亜鉛トランスポーターCis4が細胞内輸送で重要な役割を果たすことが示唆された。
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Research Products
(1 results)