2006 Fiscal Year Annual Research Report
系外惑星の直接観測を目指したステラーコロナグラフの基礎開発実験
Project/Area Number |
06J52792
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤田 健太 神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ステラーコロナグラフ / 高コントラスト観測 / 系外惑星 / 連星系 / 可視偏光撮像装置 |
Research Abstract |
本研究では,中間赤外線での系外惑星の直接観測を想定し,シミュレーションによる矩形開口ステラーコロナグラフの最適化,最適化された矩形開口ステラーコロナグラフの室内実証実験を行った.そして可視波長域用矩形開口ステラーコロナグラフを開発し,それを用いた系外惑星を持つ星の伴星探査を行った.さらに可視同時偏光撮像装置の開発と試験観測により,系外惑星の直接観測を行う際にコロナグラフ性能を制限すると予測されるノイズ成分の除去方法についても検討した.以下に主な成果を挙げる. 1.室内実験では,シミュレーションで導かれた最適解について可視域(632.8nm単色,630nm多色)での矩形開口ステラーコロナグラフの性能評価を行った.また性能比較のため現在主流となっている円形開口ステラーコロナグラフについても実験を行った.実験の結果,矩形開口ステラーコロナグラフは円形開口ステラーコロナグラフより中心星からの距離が1/2の距離から系外惑星探査が可能であること,また観測視野内でより効率的に系外惑星探査が可能であることが明らかとなった. 2.可視矩形開口ステラーコロナグラフの光学,機構設計及び製作を行った.本装置ではより安定な星像を得るために,市販ティップティルト鏡,ダイクロイックミラー,ガイドカメラから成るティップティルトモジュールを採用した. 3.開発した可視矩形開口ステラーコロナグラフを西はりま天文台2m望遠鏡に取り付け系外惑星が見つかっている星の伴星探査を行った.観測により,新たに2個の伴星候補天体を同定した.進化モデルと対応させた結果,2天体中1天体は白色倭星伴星である可能性が示唆される. 4.可視同時偏光撮像装置を開発し西はりま天文台60cm望遠鏡に取り付け試験観測を行った.本装置は直線偏光度を測定するために必要な4つの偏光画像を同時取得が可能であるという特徴がある.試験観測の結果,装置偏光は約1%,測定精度は0.1%程度であることがわかった.
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Research Products
(1 results)