2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J52902
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤見 恒平 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 疫学調査 / 臨床病理 / 認知症 / 脳 |
Research Abstract |
現在、九州大学医学研究院神経病理学では、久山町研究における認知症疾患の臨床病理学的検討とデータベース化、また、それに基づく認知症性疾患の病態に関する検討を行っている。今年度の成果としては、以下が挙げられる。 (1) レビー小体型認知症(DLB)の再検討 1996年に最初のDLB診断基準が策定(Neurology 1996;47:1113-1124)されて以来、様々な臨床病理学的検討が重ねられてきた。その結果、最初の診断基準では、病理学的DLBが臨床的DLBを大きく上回ることが問題となり、2005年に診断基準の改定(Neurology 2005;65:1863-1872)が行われた。しかしこの改訂版のDLB診断基準を用いた臨床病理学的検討は、現在に至るまでほぼ皆無である。そこで、我々のデータベースを用いてDLBの再検討を行った。その結果について現在検討を行い、第48回日本神経病理学会にて発表し、更にBrain Pathology誌に論文を投稿し、2008年3月18日にAcceptされた。 (2) 耐糖能異常とアルツハイマー病理変化の関連に関する検討 1990年代後半から疫学的な調査にて、耐糖能異常がアルツハイマー病のリスクファクターとなる可能性が示唆されるようになった。耐糖能異常とアルツハイマー型病理変化の関連に関しては、本研究では上記のデータベースを用いて年齢階層別の評価を行い、耐糖能異常がアルツハイマー型病理変化を増悪させる可能性の有無について統計学的に検討を行っている。現在、1998年10月1日から2003年3月31日に亡くなった久山町症例の病理学的な検索を行い、各症例のアルツハイマー型病理変化を診断した。今後は病理データと臨床データとのつき合わせ、統計処理を行う予定である。
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Research Products
(2 results)