2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J52942
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
周 金枚 九州大学, 大学院芸術工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 防火服 / 冷却装置 / 体温調節 |
Research Abstract |
本研究では、2種類の異なる冷却装備を用い、防火服着用時の生体負担の快適性について検討することを目的に、高温に設定された人工気候室内で自転車エルゴメーターによる運動を行った際の温熱負担について生理的、心理的指標の両面から評価した。 実験方法 被験者は大学生8名とした。環境条件は、前室の室温は25℃、相対湿度は50〜60%、本室の室温は30℃、相対湿度は50%に設定した。本実験の着衣条件は、防火服及び基本衣服であった。基本衣服としてはTシャツ、ズボン(T消防局の執務服)、短パン、靴下、手袋、ブーツ、ベルト、ヘルメットを装着した。本実験では2種類の冷却装置を用いた。被験者は、実験施設に到着後短パンのみを着用し、直腸温プローブを装着した。その後、体重を測定し、皮膚温センサーを装着して、Tシャツ、防火服、執務服を着用した。測定準備が整った後に、10分間の椅座位安静を保持してもらい、直腸温、皮膚温の測定を開始し、実験終了まで連続的に測定した。前室にて10分間安静を保持した後、本室に入室してもらい、防火服の下に異なる冷却装備を着用し、自転車エルゴメーターのサドル上で10分間の安静を保ち、その後30分間エルゴメーターでの運動を行い、10分間同様に安静を保った。運動負荷は55%V^^・_<O2max>に設定した。 結語 本研究では、冷却装置の違いによって、高温環境下における運動負荷時の身体への温熱負担の違いが示された。心理的反応には条件間の大きな差異は認められなかったが、PCMの冷却材料を用いたPCM(5)、PCM(20)は着用者の生体負担の増加の抑制もたらすことが示された。一方、PCMのフィット感がICEより良い、作業もしやすい。また、PCMは冷蔵庫(5℃)に保存しなくても、同じ効果が得られた。つまり、生体負担の増加抑制にはPCM(20)が最も効果的であると考えられた。
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