2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J52973
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
野村 尚之 熊本大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | バースト高周波電界 / コメットアッセイ法 |
Research Abstract |
最近,生体における電気的影響の研究に対する関心が深まっており,パルス電界や交流電界などを生体組織に印加し,その反応を調査する研究が広く行われている.電界物理パラメータは,電界強度,周波数,エネルギーに分けられ,これらの要素が生体に対して及ぼす影響を精査するには,狭帯域な交流電界を用いた実験が求められる.従来の交流電界を用いた研究では,電界強度は一般的に高々数kV/mである.本研究では,バイオ技術や医療への応用を視野に,100kV/mを程度の強度の狭帯域交流電界を短時間にするいわゆるバースト高周波高電界を用いて細胞の生体反応を調査することを目的とする. これまでに,周波数がMHz領域,電界強度が100kV/m以上,バースト時間が100μs程度のバースト高周波高電界が細胞内部に影響を及ぼし,特にDNAの変性成を誘導している可能性が極めて高いことが実験的に示された.この成果はIEEE Transactions on Dielectric and Electrical Insulationで発表済みである.平成18年度は,バースト高周波高電界のDNAへの影響を調査した.DNAの解析方法として,DNA断片化を高感度で検出可能なコメットアッセイ法を用いた.実験条件として,周波数1〜100MHz,電界強度10〜200kV/m,バースト時間100μsのバースト高周波高電界をCHO細胞に対して印加して電界パラメータヘの依存性を解析した.その結果,50kV/m以上の電界強度でDNAの断片化を確認した.しかしながら,理論的に予想していた周波数依存性は確認出来なかった.この成果は,2006 IEEE Power Modulator Conferenceでポスター発表,平成18年電気学会基礎・材料・共通部門大会でオーラル発表を行い,後者にて優秀論文発表賞の授与が決定している.
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Research Products
(2 results)