2006 Fiscal Year Annual Research Report
形態と動力学の特性を利用した二足ロボットの歩行・走行制御方法
Project/Area Number |
06J53073
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
成川 輝真 慶應義塾大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ロボット / 二足歩行 / 受動歩行 / エネルギー効率 / 実機 |
Research Abstract |
本年度は,上体を利用した受動規範による平地歩行方法における遊脚制御の有効性の検証,受動要素を用いたより効率の良い歩行の提案,および実機での実現に向けての検討を行った. 1.遊脚制御の有効性の検証 受動歩行の知見から得られた歩行原理を規範とし,上体を積極的に歩行に利用することで自然で高効率な歩行が達成される.ただし,上体制御だけでは遊脚が地面と衝突する前にロボットが転倒してしまう.遊脚制御を付加することで広範囲の速度において安定した歩行が可能となる.遊脚制御を適切に加えることでより安定した歩行が可能となることを示すために,遊脚が地面と衝突した直後のロボットの状態量を変化させ,転倒せずに安定した歩行が可能である範囲を探索した.遊脚制御パラメータを適切に与えることで安定範囲が拡大することが確認された. 2.受動要素を用いたより効率の良い歩行の実現 受動要素を適切に利用することでモータのみを用いた場合に比べて消費エネルギーが小さくなる可能性がある.そこで,よりエネルギー効率のよい歩行を達成するために,脚間にばねを配置した歩行モデルの検証を行った.適切にパラメータを設定することで,特に歩行速度が小さい領域において,大幅なエネルギー効率の改善が達成されることを示した. 3.実機設計 タイミングベルトとプーリを用いることでモータを上体部に設置し,脚部の質量を小さくした.シミュレーションにより歩行に必要なトルクと適切なロボットの物理パラメータを求めた.これにより,従来良く用いられているギア比の大きな減速器ではなく,低減速比のアクチュエータを用いたロボットのダイナミクスを活かすことができる実機ロボットを製作した.
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