2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J53102
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
古川園 智樹 慶應義塾大学, 大学院政策・メディア研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 国際政治システム / 複雑ネットワーク / マルチエージェント / シミュレーション / 社会システム理論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、国際政治システム(international political system)の特徴を複雑ネットワーク(Complex Network)理論を応用して明らかにし、その上で多国間枠組みにおける日本の交渉戦略を明らかにするものである。 多国間交渉は、国際政治システムの影響を受けながら行われている。一方で、交渉の成立・不成立によって国家間の相互作用の構造が変化するために、多国間交渉も国際政治システムに影響を与える。この国際政治システムと多国間枠組みの関係をどのように整理するのに、複雑ネットワーク理論が応用することが可能である。 本研究は以上の問題意識に基づいた上で、(1)日本は多国間枠組みの中でどのような交渉戦略を採用してきたか(2)日本は複数の多国間枠組みをどのように使い分けて、活用してきたのか(3)日本は多国間枠組みと二国間枠組みをどのように組み合わせてきたのか、といった一連の疑問を事例研究も行いながら、明らかにする。 平成18年度は、複雑ネットワーク理論に基づくデータ分析を踏まえた上で、国際政治システムのモデル化を行い、マルチエージェント・シミュレーションを行った。具体的には、ネットワーク上でのゲーム(囚人のジレンマ等)を行った場合、どのような結果が生まれるかについてマルチエージェント・シミュレーションを行った。その結果について学会発表もいくつか行った。ネットワーク理論とそれ以外の分野と組み合わせることで、新たな知見を得ることができた。
|