2006 Fiscal Year Annual Research Report
室内環境微生物の発育速度・化学物質放散のモデリングと空気質予測手法の開発
Project/Area Number |
06J53242
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
水野 優 東京工芸大学, 工学部・工学研究課, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 微生物 / 発育速度 / 化学物質 |
Research Abstract |
微生物汚染問題の1種である真菌を対象として、微生物由来の揮発性有機化合物(MVOC)放散のメカニズムを解明し、定量的な放散量データに加え、数学的な放散モデルを提供することを目的とし、微生物増殖モデルならびにMVOC放散モデルを実験的手法を用いてモデル化を行い、その結果からCFDを使用し、実現象に近い詳細な予測手法の開発を目指す。H18年は研究計画に従い以下の結果を得た。 (1)微生物増殖速度の測定 詳細な予測手法の開発を行う為、ミクロレベル(菌糸)での測定が必要不可欠であり、菌糸の成長速度を測定し、モデル化を行う。また真菌は胞子状態から発芽、菌糸伸長、コロニー形成、胞子生成と成長を行う事からミクロレベルのみではなく目視可能なマクロレベルでの成長速度の測定を行う事で、真菌の一連の増殖過程が予測可能であると推測し実験を行った。 真菌の菌糸伸長の測定方法を確立し、様々な環境下での測定を行う事によりデータベース化を行っている。微生物の増殖をモデル化するにあたり、既往研究より個体群変化の初期段階の性状を比較的精度良く再現すると言われているロジスティック成長式を用いる事で真菌の菌糸成長ならびにコロニーの増殖速度の数値解析に使用する為のモデル化を可能とした。 (2)MVOC放散量測定 室内環境において真菌が成長した後、微量化学物質の放散が確認され微生物由来の化学物質過敏症・シックハウス問題も懸念される。そこで真菌胞子飛散現象の解析にMVOC放散現象を加える事で人体に有害な胞子・化学物質双方の予測を行う事が可能となり有益な予測手法の開発を目的とし、実験を行った。真菌成長が十分に行われている状態での測定において、MVOC成分ならび放散量の測定を行い、各実験ケースにおいて測定結果を得た。しかしMVOC放散には初期段階(第1次成長段階)においてはMVOC種ならび放散量が異なる可能性があることから、MVOC測定に関して成長段階での測定が必要であり、現在随時進行中である。 (2)解析的手法 解析を行う為、解析対象空間のメッシュの作成を行った。今後実験により求めたモデルならびに胞子飛散現象を組み込んだ解析を行う予定である。
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Research Products
(4 results)