2006 Fiscal Year Annual Research Report
韓国における地域自活支援計画に関する研究-日本の地域福祉計画の適用可能性-
Project/Area Number |
06J53262
|
Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
金 碩浩 日本福祉大学, 社会福祉学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ワークフェア / ウェルフェアリフォーム / 自活事業 / 自立支援プログラム / 地域自活支援計画 / 地域福祉計画 / 稼働能力貧困層 |
Research Abstract |
本研究は、ワークフェアの国際的動向及び韓国における貧困政策の歴史的特徴を踏まえつつ、地域自活支援事業に関する実証的分析を行うことと、日本における地域福祉計画から示唆を得ながら、韓国における地域自活支援計画の課題を提示することを目的としている。 本年度には、次の3点を中心に研究を進めてきた。まず、ワークフェアに関する国際的動向の考察からは、「労働市場連結(LFA ; Labor Force Attachment)モデル」と「人的資本開発(HCD ; Human Capital Development)モデル」という理論的類型化モデルを確認した上で、アメリカ、イギリス、スウェーデン等の事例の考察を行った。第二に、韓国における自活事業を包括する国民基礎生活保障法の制定過程及びその要因の分析では、1997年か末からの経済危機が契機になり、生活保護法から代替立法の形で行われた公的扶助制度の改革である国民基礎生活保障法の制定をめぐる政策諸主体間の福祉政治に注目しつつ、国民基礎生活保障法の光と影、法律の制定要因、制定過程を分析した。その結果、改革立法に相応しい制度的な改善が数多くあったものの、政策諸主体の利害関係や政策的立場の相違により、扶養義務の強化、自活事業の導入等の側面から法律の理念が毀損される結果を招いたこと等を明らかにした。第三に、韓国における自活事業の全体像を明確にしつつ、現状と課題を分析するための現地調査を行ってきた。現在、韓国では自活事業の対象範囲の拡大や基礎自治体に自活専担公務員の配置等を中心に「公的扶助制度の2次改革」とも言えるほどの制度改革が行われている。ここでは、このような制度改革を招いた原因及び課題を探っている。 来年度には、最初の研究テーマから少し視野を広げつつ、地域社会におけるデリバリーシステムを手がかりにしながら、韓国と日本のワークフェアの比較研究を行っていきたい。
|
Research Products
(1 results)