2007 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経膠腫におけるRac1活性調整機構と腫瘍血管新生における病理学的解析
Project/Area Number |
06J53332
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
駒谷 英基 Kurume University, 医学部, 助教
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Keywords | SDF-1 / CXCR4 / 腫瘍血管増生因子 / AMD3100 |
Research Abstract |
悪性神経膠腫の摘出標本(全60例)に対して、腫瘍血管増生因子であるCXCR4とSDF-1というfactorの免疫染色と予後との調査を行った。悪性度の低い腫瘍(WHO grade 2)をコントロールとし、悪性度の高い腫瘍(WHO grade 3,4)との染色率に比較において3段階に分けて検討した。その後、Kaplan-Meler法にて予後との関係を統計処理を行ったところ、CXCR4とSDF-1の発現率と予後との関係に有意差が現れた。 つまり、悪性度の高い腫瘍は、CXCR4とSDF-1ともに高発現を示した。現在、大腸癌での治療薬としてベバシズマブ(VEGF阻害薬)が臨床応用されているが、このCXCR4とSDF-1の阻害作用を持つAMD3100という因子も発見されており、悪性脳腫瘍の抗腫瘍血管増生薬として期待が持たれると考えられる。 この結果は、平成18年10月に日本脳神経外科学会総会にて発表を行った。 また、神経膠腫株の細胞培養を行い、PCR法によりRNAレベルでCXCR4とSDF-1の発現を評価した。 結果としては、悪性度が上昇すれるにつれ発現率の上昇が確認され腫瘍の遊走と増殖に関連した因子であると考えられる。 現在、原著論文作成中であり、後日発表する予定である。
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