1995 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム、ラオス北部、中国西南部諸民族の伝統的音楽文化の変容に関する比較研究
Project/Area Number |
07041038
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
藤井 知昭 国立民族学博物館, 第2研究部, 副館長教授 (70044740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
THANH ToーNgo ベトナム文化情報省, 文化芸術研究所, 所長
KINDAVONG Am ラオス国立音楽芸術学校, 教員
呉 学源 雲南民族学院, 副教授
高 立士 雲南民族学院, 副教授
福岡 正太 国立民族学博物館, 第2研究部, 助手 (70270494)
塚田 誠之 国立民族学博物館, 第2研究部, 助教授 (00207333)
鈴木 道子 中京大学, 社会学部, 教授 (80154590)
高橋 昭弘 中京女子大学, 家政学部, 教授 (10097660)
樋口 昭 埼玉大学, 教育学部, 教授 (60015287)
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Keywords | ラオス北部 / イコ族 / アカ族 / ハニ族 / モ-・ラム / ベトナム北部 / カ・チュ / ハット・チェオ |
Research Abstract |
平成7年度においては、前年度までに明らかとなった課題に基づき、以下の点を重点に調査を実施した。 (1)ラオス北部村落の少数民族の儀礼・芸能・音楽の実態 (2)隣接するベトナム北部地域調査の着手 (3)中国雲南省周辺諸地域調査の継続 (1)ラオス北部の少数民族については、主題である中国ハニ族との関わりで最も関心のあるアカ族の村落調査を行った。アカ族はラオスでは「イコ」と呼ばれており、中国・ミャンマーと国境を接するラオス最北端のルアンナムタ-県に最も集中して居住している。 今回はこのルアンナムタ-県のムアンシンを拠点に、その周辺のイコ=アカ族の4村落を調査した。その結果、フォークロアにおけるすべての面において、北タイのアカとの共通点が確認された。また、南ラオスについては、モ-ラムの歌謡様式について継続的に調査を行い、近年東北タイの影響を顕著に受けたポップス的ラムのラオスにおける実態と、伝統的なモ-ラムの歌唱様式について、かなりまとまったデータを蓄積することができた。 (2)ベトナムに関しては、主として西北部、ラオス・中国国境隣接地域の山地少数民族について、現地研究協力者との情報交換及び事前研究を通して、少数民族の現況および調査・研究の現状を把握することができた。また、ベトナムにおける伝統的な音楽の全体的状況の把握を目的として、ハノイを中心とする都市部の調査を行い、代表的な伝統芸能である大衆演劇・ハット・チェオ、最近復活しつつある伝統的歌唱様式のカ・チュをはじめとする都市芸能の現状の概況を把握した。 (3)中国西南部雲南省周辺についてはさらに調査を継続し、当該地域の少数民族に関する資料の蓄積を行った。次年度以降のベトナム、ラオス北部・中国国境地域調査の進展を図った上で、更に比較研究のため必要とされる調査を続行する計画である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 藤井知昭: "基調講演" 文部省国際シンポジウム アジア諸民族音楽文化のダイナミズム-伝統と変容- 報告書. 23-27 (1996)
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[Publications] 藤井知昭: "音のフィールド・ワーク回顧" 音のフィールド・ワーク(東京書籍). 6-17 (1996)
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[Publications] 樋口 昭: "歌はヒマラヤの風にのる-ブ-タンの踊歌" 音のフィールド・ワーク(東京書籍). 129-136 (1996)
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[Publications] 高橋昭弘: "思いのたけを歌にのせて-北タイ・アカ族のブランコ祭りと歌" 音のフィールド・ワーク(東京書籍). 112-120 (1996)
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[Publications] 鈴木道子: "舞踊人類学の視点から" 音のフィールド・ワーク(東京書籍). 265-272 (1996)
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[Publications] 福岡正太: "地球時代のスンダ音楽家" 音のフィールド・ワーク(東京書籍). 78-86 (1996)
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[Publications] 藤井知昭: "文部省国際シンポジウム アジア諸民族音楽文化のダイナミズム-伝統と変容- 報告書" 国立民族学博物館, 345 (1996)
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[Publications] 藤井知昭: "音のフィールド・ワーク" 東京書籍, 438 (1996)