1995 Fiscal Year Annual Research Report
アマゾン河中下流域における河川水位の変動と人間活動に関する時空間分析
Project/Area Number |
07041082
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
肥田 登 秋田大学, 教育学部, 教授 (70015832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
親見 治 香川大学, 教育学部, 教授 (80136283)
HIRAOKA Mari ミレースビレ大学(USA), 総合科学部, 教授
MAIA Jose Gu CNP_q, GOELDI研究博物館, 館長
西田 眞 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (70091816)
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Keywords | アマゾン / 水位変動 / バルゼア / 自記水位計 / マナウス / ベレン / ブレ-ベス / カシワナ |
Research Abstract |
平成7年度は研究目的にそって次の調査・研究活動を行った。 1.ブラジル連邦科学技術審議会(CNP_q),ベレンのMuseu Goeldi研究博物館,INPA,INPE,連邦マナウス港管理局,州政府,ほか関連研究機関等から本学術調査に対する協力の取りつけ。2.平成7年11月に当初の計画どおり,低水位時に視点を当てた現地調査を実施。その内容は,第一に,アマゾン河の中下流域の4地点:Manaus,Caxiuana,Breves,Belemに自記水位計を設置し,第二にVarzea域における低水位時の水位変動と人間活動に関する調査とLANDSAT衛星画像の購入等を行った。 これらの研究活動を通して得られた知見等は次のとおりである。 1.アマゾン河の水位,流量に関する観測態勢がきわめて未熟な段階にあることが判明した。マナウス,ベレン等主要な地点においても,水位の観測には水位標が用いられているにすぎない。2.これに対し,上の4地点に関しては,自記水位計により水位変動が絶え間なく自動的に記録されることとなった。その結果,次の3.〜4.の知見が得られた。3.河口部のベレン付近で干潮による水位変動は,複数の水路網の影響よって,波動の推移に時間差が現れ,さらに,水位の上昇時と下降時の波形に特徴的な違いが見られる。4.マナウスからパリンチンス,オビドスにかけて,水位が上昇期に移ることの前兆現象としてRepiquete現象が現れる。5.平成7年10月〜11月に,アマゾン河は30年ぶりの異常渇水に見舞われ,船の運行に支障を来たしているほか,魚の死滅や,Varzea域の草が枯れて,牛ほかの家畜類が瀕死の状態にある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 肥田登・Mario Hiraoka・新見治: "アマゾン河の水位変動に関する予察的考察" 秋田大学教育学部研究紀要(人文・社会). 48. 35-41 (1995)
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[Publications] Nishida,Makoto(西田眞): "Fazzy regression analysis of water quality with satellite remote sensing data" Int.J.of Soc.of Mater. 3. 178-186 (1995)
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[Publications] Mario Hiraoka: "Land use changes in the Amazon estuary" Global Envirn.Change. 5. 323-336 (1995)
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[Publications] 新見治・肥田登・Jose Guilherme Maia: "アマゾン河の水位変動特性と低水位期のバルゼア景観" 香川大学教育学部研究報告第1部. 98(印刷中). (1996)
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[Publications] 新見治・肥田登・Jose Guilherme Maia: "アマゾン河の水位変動と人間活動(1)" 日本地理学会予稿集. 49(印刷中). (1995)