1995 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロトロンX線高分解能散乱法によるメソスコピック材料の構造研究
Project/Area Number |
07044135
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋爪 弘雄 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (10011123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ギャレット R. オーストラリア国立ビームライン施設, 管理科学者
フオーラン G. オーストラリア国立ビームライン施設, 科学者
ニクーリン A. メルボルン大学, 物理学科, 研究員
バルネア Z. メルボルン大学, 物理学科, 講師
カルカ A. ウオランゴン大学, 材料科学科, 上級講師
ガオ D. オーストラリア国立科学産業研究機構, 研究員
スチーブンソン A.W. オーストラリア国立科学産業研究機構, 上級研究員
ウィルキンス S.W. オーストラリア国立科学産業研究機構, 主席上級研究員
ニコラエンコ A.M. ロシア科学アカデミー結晶学研究所, 上級研究員
大隅 一政 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 教授 (70011715)
坂田 修身 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (40215629)
石澤 伸夫 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (90151365)
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Keywords | メソスコピック / 微粉末 / 炭化物 / 窒化物 / 非晶 / 構造乱れ / シンクロトリン放射 / X線回折 |
Research Abstract |
最近、高エネルギー・ボールミルによりホウ素、シリコン、金属などを雰囲気ガス中で粉砕し、これらの炭化物、窒化物粉末を直接合成する方法がオーストラリアで開発された。生成される粉末は数10〜数100nmの粒径を持つ。粒子の外皮部は固体/固体反応、固体/気体反応を起こし、非晶質化している。粉砕度の制御により、非晶部が粒体積の80%を占める粉末を作ることができるが、このような粉末は新規な物性を示し、新素材として超硬度材料などへの応用が検討されている。非晶部は高度の反応性を有し、粉末の物性を支配するが、原子配列が極度に乱れているため、その構造を通常のX線回折法で調べるのは難しい。本研究は、我が国のシンクロトロンX線散乱・回折技術とオーストラリアの材料を結び付け、メソスコピック材料の原子構造、組織を解析し、物性との相関を探ることを目的としている。平成7年11月高エネルギー物理学研究所放射光実験施設でシンクロトロン・ビームタイムを得、Si、B、Mo、V、Zrなどの窒化物について高分解能粉末回折実験を行なった。その結果、実験室のX線装置では非晶部の散乱に埋れて分解できないブラッグ・ピークが検出され、また、非晶部の散乱が試料作成条件によって様々な微細構造を示すことが分かった。現在データを解析するとともに、高温における構造変化をX線実験で調べるため、試料加熱装置の設計を進めている。
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