1995 Fiscal Year Annual Research Report
陰極生成アニオン性アシル金属反応剤の有機合成への応用
Project/Area Number |
07215246
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 邦久 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (50029485)
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Keywords | アシルアニオン性試剤 / アシル鉄錯体 / 陰極カルボニル化 / 陰極還元 / 鉄カルボニル / ハロゲン化アルキル / ケトン |
Research Abstract |
陰イオン性金属ガルボニル錯体は球核性がつよく,種々の求電子性基質のカルボニル化を引き起こすことが知られている。本研究課題は,種々のハロゲン化アルキル共存下に鉄ペンタカルボニルの陰極還元を行い、陰イオン性アシル鉄錯体の合成とアシル錯体生成の機構およびそれら錯体の有機合成への利用を取り扱う。 多孔性隔膜で陰極液/陽極液を分離した特別に製作したガラス性反応容器(各50ml)に、アセトニトリル溶媒、電解質としてテトラアルキルアンモニゥウム塩を入れ、陰極側にはさらにハロゲン化アルキルおよび鉄ペンタカルボニルを加え、白金あるいはステンレス陰極を用いて、定電位あるいは定電流で反応させた。2電子還元に相当する電気量が流れたところで反応を止め、陰極側によう化アルキルを加えて、得られたアシル鉄錯体のアルキル化を行いケトンを合成した。 アシル鉄錯体の生成機構として二つの経路が考えられる。一つは、陰極還元で生成される陰イオン性鉄カルボニル錯体とハロゲン化アルキルとの反応であり、もう一つは、ハロゲン化アルキルの還元で生成するカルボアニオンと鉄ペンタカルボニルの結合反応である。定電位反応の結果から、二つの可能性を明確に区別することができた。即ち、ハロゲン化アルキルは還元を受けないが、鉄ペンタカルボニルは還元される電位に陰極電位を設定して反応させたところ、アシル鉄錯体が効率よく得られた。したがって、アシル鉄錯体生成の第一段階は鉄カルボニルの還元であるあることが分かった。
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Research Products
(1 results)