1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07216237
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津田 鉄雄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10025992)
|
Keywords | ニッケル触媒 / 環化付加共重合 / ジイン / マレイミド / ポリ(ビシクロ[2,2,2]-7-オクテン) |
Research Abstract |
我々は最近、遷移金属錯体触媒を用いるジインの環化付加共重合という新しい高分子合成反応を開発した。この方法を用いる炭素環を有するポリマーの合成は興味がある。前年度の重点研究で、このポリマー合成の素反応であるゼロ価ニッケル錯体触媒を用いるアルキン2分子とアルケン2分子の効率の高い選択的な環化付加反応を開発した。本年度は、この成果にもとずきゼロ価ニッケル錯体触媒を用いるジイン/マレイミド環化付加共重合によるポリ(ビシクロ[2.2.2]-7-オクテン)の合成を行った。 5-10モル%のNi(CO)_2(PPh_3)_2およびNi(COD)_2-2PPH_3触媒が芳香族ジインである1、4-ジエチニルベンゼンとN-n-オクチルマレイミドの環化付加共重合をひきおこし分子量35000のポリ(ビシクロ[2.2.2]-7-オクテン)を生成した。これに対し1、4-ジエチニルベンゼンとN-フェニルおよびエチルマレイミドの環化付加共重合は不溶性共重合体を与えた。従って長鎖アルキル基であるn-オクチル基の導入は可溶性ポリ(ビシクロ[2.2.2]-7-オクテン)合成にとり極めて重要であることがわかる。長鎖メチレン鎖を持つ脂肪族ジインである1、11-ドデカジインを用いてN-フェニルおよびエチルマレイミドとの環化付加共重合を行うと分子量5000-16000の可溶性共重合体が得られた。一方1、11-ドデカジインとN-n-オクチルマレイミドの環化付加共重合は分子量12000のポリ(ビシクロ[2.2.2]-7-オクテン)を生成した。 N-n-オクチルマレイミドを用いて得られた環化付加共重合体は、長鎖アルキル基であるn-オクチル基がポリマーの繰り返し単位に二つ側鎖として導入されており、例の極めて少ない柵状ポリマーとなる。特に1、4-ジエチニルベンゼンとN-n-オクチルマレイミドからの環化付加共重合体は剛直性柵状ポリマーとして興味がある。
|
Research Products
(1 results)