Research Abstract |
圧力1torrのメタン92%-酸素8%混合気放電反応場の分光計測を行った.直径10mm,距離10mmの対向電極に,DC500Vを印加した.ガスクロ分析によってC_2H_2,C_2H_6,H_2,CO,CO_2が生成された事を確認したが,機器が不充分のためメタノールの生成は確認出来ていない.まず,発光スペクトル観測によって,CH(431.4nm近傍複数,314.4nm),H(α線656.28nm,β線486.13nm),O(777.20,777.34nm),OH(306.4nm)が同定出来た.次に,分光器にCCDカメラを取り付け,発光強度平面分布を測定した.発光は陰極側に片寄っている.OHの発光強度のピークの位置は,HとOよりも陰極から離れており,HとOが反応してOHが生成したと考えられる.又,LIFを用いて,CHの電子基底状態の蛍光を測定すると,陰極近傍が強く,電子励起状態からの発光が陰極からかなり離れた位置でピークを示すのと,異なる.CHのR13(423.1nm)〜R19(419.26nm)の7つの回転線の強度比を取り,I∝ν^3S・exp(-Er/kT)の関係式(I:発光の振動数,S:強度係数,Er:回転準位エネルギー,k:ボルツマン定数,T:回転温度)に合うかどうか,プロットした.その結果,式に合い,ボルツマン分布が成り立つことが判り,2800Kの回転温度を得た.又,Hα線とHβ線の2本について,ボルツマン分布を仮定して,5800Kの電子状態温度を得た.従って,異なる化学種の測定の比較ではあるが,回転温度と電子状態温度は非平衡にある.又,通常のプラズマ温度に比べるとかなりの低温である事が判った.
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