1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07243102
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星野 力 筑波大学, 構造工学系, 教授 (30027130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 幸彦 筑波大学, 生物科学系, 助手 (90237074)
佐倉 統 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (00251752)
葛岡 英明 筑波大学, 構造工学系, 講師 (10241796)
HUGO deGaris (株)ATR人間情報通信研究所, 客員研究員
池上 高志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10211715)
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Keywords | 人工生命 / 創発 / 適応 / 進化 / 中立進化 / ゲーム / 自己複製 / 遺伝子修復 |
Research Abstract |
(1)ロボット巡航における中立進化と頑健性(星野 力、葛岡 英明):中立変異の発現メカニズムを、迷路を巡航するロボットの進化という具体例で検証し、中立変異が爆発的に発現することによって急激な進化と断続平衡が現れることを確認した。(2)囚人のディレンマゲームにおける適応と進化(星野 力、葛岡 英明):非ゼロサムゲームのエージェントをオートマトンにより表現し、ルールは利得行列とし、両者を遺伝的アルゴリズムによって2段階創発するようなモデルを試みた結果、流行現象とよく似た周期性が観測されたり安定した状態を続けるという複雑な現象が観測された。(3)工学的システム設計への人工生命的手法の応用(星野 力、葛岡 英明)あらかじめ想定したルートや渋滞情報を判断して、交差点における最適な進行方向を、各自動車の所要時間を最短にするように、遺伝的アルゴリズムによって最適化し、渋滞時間が減ることを確認した。(4)マシンとテープにみる自己複製と突然変異(池上 高志):遺伝するものとしないもののがどのように生まれて来るかを研究した結果、マシンとテープの対応関係の情報が伝えられるだけでなく、コード全体の持つ不安定性が伝えられることが示された。(5)創発概念の整理と再考(佐倉 統):創発概念について、科学史・科学哲学的なアプローチから整理することを試みた。その方法として,アナロジーを提唱し、その使用は複雑な創発システムの研究には必要不可欠であるとの結論に達した.(6)円錐の旅:遺伝的冗長性、あるいは修復機構の進化モデル(徳永 幸彦):進化の初期において剣山状だった適応度地形のピークが、進化が進につれて束ねられて先の丸いピークに変形していく。このような仮説を検証するために、遺伝的アルゴリズムにおいて、遺伝子修復というメカニズムを入れたシミュレーションを行い、仮説を裏付けるデータを得た。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T,Ikegami,T.Hashimoto: "Coevolution of Machines and Tapes" Artificial Life. 2. 305-318 (1996)
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[Publications] T.Hashimoto,T.Ikegami: "Emergence of Net-grammer in Communication Agents" Bio Systems. 38. 1-14 (1996)
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[Publications] Y.Toquenaga,M.J.Wade: "Sewall Wright meets Artificial Life" Trends in Ecology and Evolution. 11. 478-482 (1996)
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[Publications] Hugo de Garis: "CAM-BRAIN:ATR'S Billion Neuron Artificial Brain Project" Int.Conf.on Evolutionary Computation. 1. 86-92 (1996)
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[Publications] 佐倉 統: "ドイツにおける行動科学の歴史の一断面" 横浜経営研究. 17. 59-67 (1996)