1995 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性蛋白による糖鎖分解酵素の制御機構とその欠損症の分子病理
Project/Area Number |
07259222
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
桜庭 均 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (60114493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新本 美智枝 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (20216237)
伊藤 孝司 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (00184656)
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Keywords | 多機能性蛋白 / 保護蛋白質 / ガラクトシアリドーシス / リン脂質転送蛋白質 / 遺伝子重複 |
Research Abstract |
ヒト保護蛋白質の遺伝子構造を明らかにするために、そのゲノムDNAのクローニングを試みた。YACライブラリーから、PCRを利用してヒト保護蛋白質遺伝子を含むクローンを単離した。このクローンから、コスミドライブラリーを作成して、さらにスクリーニングを行い、保護蛋白質遺伝子全長を含むDNA断片を得て、その構造を初めて明らかにした。この遺伝子は、全長7.5kbで、15個のエクソンから成り、そのイントロン/エクソン配列は全てGT/AG規則に従っていた。コンピュータを用いた検索から、本遺伝子の極近傍にリン脂質転送蛋白質遺伝子が存在する可能性が考えられた。そこで、リン脂質転送蛋白質遺伝子を含むクローンを単離して、その詳細を明らかにすると共に、ヒトゲノムDNAを試料として直接に当該領域を増幅し、両遺伝子が反対方向に一部重複して存在することを初めて示した。その結果、20番染色体長腕上にあるこれら2つの遺伝子転写産物は、3′-非翻訳領域の58塩基部分がセンスとアンチセンスの関係にあると推測された。両者間に制御調節があるかは今の所不明だが、少なくとも両遺伝子の発現産物は多くの組織で同時に存在し、機能していると考えられる。哺乳類の細胞において、この様にはっきりした機能を持つ蛋白質を発現する遺伝子が重複しているという例は、これまで殆ど報告されていない。 保護蛋白質の遺伝子構造が明らかになったことにより、ガラクトシアリドーシスの患者の遺伝子解析が容易に行えるようになった。これまでに行われたmRNAの解析でスプライシング異常が推測されていた症例で、ゲノムDNAの直接的分析が行われ、イントロン/エクソン境界での塩基置換が確認された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ishii N. et al: "Clinical and molecular analysis of a Japanese boy with Morquio B disease." Clin Genet. 48. 103-108 (1995)
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[Publications] 伊藤孝司,桜庭 均: "保護タンパク質-ライソゾーム酵素の保護作用を示す多機能性糖タンパク質" 生体の科学. 46. 230-234 (1995)
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[Publications] Ishii N, et al: "β-Glactosidois(genetic β-galactosidases deficiency): clinical and genetic heterogeneity of the skeltal form." Dev Brain Dysfunct.8. 40-50 (1995)
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[Publications] 伊藤孝司,新本美智枝,桜庭 均: "ガラクトシアリドーシスの遺伝子解析と分子病理" 病理と臨床. (印刷中).
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[Publications] Shimmoto M, et al.: "A human protective protein gene partially overlaps the gene encoding phospholipid transfer protein on the complementary trand of DNA." Biochem Biophys Res Commun. (印刷中).
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[Publications] Suzuki Y, Sakuraba H, Oshima A: "The metabolic and molecular bases of inherited disease." MaGraw-Hill(New York), 38 (1995)