1996 Fiscal Year Annual Research Report
デカルト『省察』「反論と答弁」の共同作業による校訂版の作成と基本的諸テーマの研究
Project/Area Number |
07301003
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Section | 総合 |
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
村上 勝三 東洋大学, 文学部, 教授 (80144905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 隆 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (40202353)
小泉 義之 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (10225352)
香川 知晶 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (70224342)
西村 哲一 青山学院大学, 文学部, 助教授 (80198506)
安藤 正人 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50232103)
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Keywords | デカルト / 『省察』「反論と答弁」 / 「第一反論・答弁」の校訂版 / 「第七反論・答弁」の翻訳 / 神学と哲学 / 永遠真理創造説 / 明証性の規則 / 実態と区別 |
Research Abstract |
本研究の目的は、デカルト研究の世界的な仕事の一部を担い、その新しい質を提示するとともに、すべての哲学研究に新たな基礎を提供することにある。このことを果たすために、今年度は引き続いて『省察』「反論と答弁」について以下の各課題を遂行した。 1.「第七反論・答弁」の翻訳の検討。前年度から引き続き各分担者の翻訳草稿をこの部分の責任者である宮崎が分担者と綿密に検討した後に、全体会議でさらなる吟味に掛けた。反論者ブルダンの思索の質とデカルトの応答の機微が明らかになった。翻訳の検討を通して、当時の知的水準とデカルト哲学の距離の問題も浮かび上がってきた。 2.校訂版の作成。前年度の「第二反論・答弁」についての実績を踏まえて、今年度は「第一反論・答弁」について、責任者を安藤、協力者を倉田として、第一版、第二版、AT版を校合した決定的批判版を作成している。 3.問題論的研究。以下の6点の課題を掲げ、夏の研究合宿と、冬の研究合宿において担当者が発表し、全体会議において検討した。(1)「神学と哲学」(担当:香川)(2)「知性・精神」(担当:武藤)(3)「意志」(担当:倉田)(4)「明証性の規則」(担当:西村)(5)「実体と区別」(担当:鈴木)(6)「永遠真理創造説」(担当:小泉)。『省察』本文を踏まえた「反論と答弁」の縦覧的研究によって、デカルト研究に対する新しい視点が提起された。そのひとつに「永遠真理創造説」が『省察』の読解にどのような影響を与えるのかということの解明がある。夏の研究合宿への古代哲学、中世哲学、スピノザ哲学、ライプニッツ哲学の専門的研究者の参加は、これらの課題遂行に大きな力を与えた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 村上勝三: "曖昧にして不分明なる「意識」-近代的「意識」概念の生成とデカルト哲学" 『デカルト』哲学会編・哲学雑誌. 111巻・第783号. 18-34 (1996)
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[Publications] 村上勝三: "内的感覚論-デカルト哲学における個人倫理の基礎" 『思想』1996年11月号. 869号. 206-223 (1996)
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[Publications] 鈴木泉: "現代フランスにおけるデカルト研究の現状" 『デカルト』哲学会編・哲学雑誌. 111巻・第783号. 138-155 (1996)
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[Publications] 西村哲一: "デカルトの存在論的証明に対するカントの批判をめぐって-「知得」の立場と「概念」の立場" デカルト研究会(村上・山田)編『現代デカルト論集』(勁草書房). 3巻. 109-142 (1996)
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[Publications] 香川知晶: "精神の洞見と「実体」-デカルトの蜜蝋の分析について" デカルト研究会(村上・山田)編『現代デカルト論集』(勁草書房). 3巻. 91-108 (1996)
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[Publications] 武藤整司: "デカルトにおける愛の圧別について" 近世哲学研究. 3号. 40-62 (1996)
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[Publications] デカルト研究会(村上勝三・山田弘明)編: "現代デカルト論集(全三巻)" 勁草書房, 1100 (1996)
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[Publications] 小泉義之: "デカルト=哲学のすすめ" 講談社, 213 (1996)