1995 Fiscal Year Annual Research Report
三つの世紀末〈ロマン主義・世紀末・ポストモダン〉-転換期の芸術と芸術の哲学-
Project/Area Number |
07301064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神林 恒道 大阪大学, 文学部, 教授 (80089862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 和実 大阪芸術大学, 芸術学部, 講師 (10214868)
三浦 信一郎 帝塚山学院大学, 文学部, 教授 (50122148)
高梨 友宏 大阪大学, 文学部, 助手 (30263180)
渡辺 裕 大阪大学, 文学部, 助教授 (80167163)
森谷 宇一 大阪大学, 文学部, 教授 (70033181)
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Keywords | ロマン主義 / 世紀末 / ポスト・モダン |
Research Abstract |
すでに平成7年4月から研究会を発足させ発表と討論を行ってきたが、その成果の一部は、研究代表者の神林が企画した「特集:転換期の芸術の哲学-三つの世紀末:ロマン主義・世紀末・ポストモダン」(「理想」第656号)において発表されている。これによって、本総合研究の芸術哲学としての思想的な視点からする方向性が次第に明らかとなってきている。その問題点を要約すれば、それは「三つの世紀末」の危機的思想状況を通底する志向としての「芸術における近代」の問い直し、それと「啓蒙的近代」に対する批判とその美的克服の可能性の問いであるということができるであろう。 本年度後半には科学研究費の援助を得たことによって、研究会はより活性化するとともに、調査研究、資料収集・整理もスムーズに進捗することとなった。これにより本年度の成果である思想史的な方向付けという理論的基盤の構築の上に、次年度においては、絵画、音楽、文学の個別芸術学的分野での研究の展開の可能性が一挙に広がってきている。これに向けて、現在の研究分担者のほかに、たとえば映像、デザイン、環境造形部門の研究者の参加をも要請したいと考えている。また次年度は本研究のまとめの年でもあり、従来の研究会を拡大し、可能ならば関西地区以外からもパネリストを招いて小規模のシンポジウムを開催して全体討論と総括を行おうと計画している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 神林恒道: "芸術における近代-三つの世紀末-" 理想. 656号. 2-11 (1995)
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[Publications] 神林恒道: "芸術哲学-目に見えないものを見えるようにする-" AERA MOOK 9 やわらかアカデミズム「学問がわかる」シリーズ. 9巻. 36-37 (1995)
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[Publications] 大橋良介: "生の歴史・歴史の生-ひとつの歴史哲学の試み-" 年刊講座「生命」. 1巻(未定). (1996)
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[Publications] 三浦信一郎: "情緒-抽出から感情-表現へ-西洋近代芸術音楽への転換期の音楽思想-" 理想. 656号. 39-49 (1995)
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[Publications] 神林恒道(編著): "芸術学の射程-芸術学フォーラム2-" 勁草書房,