食物網内の物質循環・個体群間相互作用と生物群集の進化動態

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07304078
• Research Category: Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
• Research Institution: Shinshu University
• Principal Investigator: 曽田 貞滋 信州大学, 理学部, 助手 (00192625)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 砂原 俊彦 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (50264156) ; 松田 裕之 九州大学, 理学部, 助教授 (70190478) ; 茂木 幹義 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (00039538) ; 川端 善一郎 愛媛大学, 農学部, 助教授 (80108456) ; 加藤 憲二 信州大学, 医療短期大学部, 助教授 (70169499)
• Keywords: 食物網 / 生物群集 / 物循循環 / 水生生物 / バクテリア / 捕食 / 生活史 / 共進化

Research Abstract

今年度は研究集会において,個体群動態・物質循環・進化の3つの観点を統合して食物網構造の変異性と動態特性を解明する計画の具体的な検討を行った.この研究方針にそった分担研究の成果は次のように要約される.
(1)ゾウミジンコ類のバクテリアの捕食行動の解析(加藤):バクテリアのサイズに関して選択的な捕食が行われることを実証した.(2)各種ファイトテルマ-タのバクテリア・後生動物群集構造に関する定量的解析(曽田・茂木・加藤):群集構造の時間的空間的変異を独立した個々の水溜まりを単位として解析し,系へのリソース流入・群集のバイオマス・種多様性・種構成がファイトテルマ-タのサイズに依存することを明かにした.また捕食・競争が群集構造に及ぼす効果について分析した.(3)マイクロコズムを用いたバクテリア・原生動物の相互作用と物質循環に関する実験的解析(川端):群集操作実験のための系を確立し,その群集・栄養動態特性について予備的な検討を行った。(4)野外の竹切り株における蚊幼虫群集の動態と構成種の生理生態特性の相互関係の解析(砂原):飢餓耐性を含めた栄養条件に対する発育成長反応の種間差が,群集遷移をいかにもたらすかを分析した.またこれらの蚊のメタ個体群の存続様式についてもあわせて解析した.(5)捕食者・被食者の共進化によりもたらされる群集構造の理論的解析(松田):捕食者の餌選択性と被食者の防衛・逃避行動の共進化がどのような群集構造をもたらすかを分析した.