1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07405044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
砂本 順三 京都大学, 工学研究科, 教授 (80037811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 幸久 京都大学, 工学研究科, 助手 (40243042)
秋吉 一成 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90201285)
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Keywords | リポソーム / 膜タンパク質再構成 / E-カドヘリン / F9細胞 / 膜タンパク質移行 / ガングリオシド / シアル酸 / T細胞刺激 |
Research Abstract |
1.脂質膜間膜タンパク質移行による他細胞膜への膜タンパク質組み込み-カドヘリンのリポソーム上への再構成.マウステラトカルシノーマF9細胞膜上の存在する細胞-細胞間接着膜タンパク質E-カドヘリンのリポソームへの再構成を検討した.細胞からの移行する膜タンパク質量は人工リン脂質1,2-ジミリスタミド-1,2-デオキシホスファチジルコリンのリポソーム構成脂質中含量の増加とともに多くなった.移行タンパク質のSDS-ポリアクリルアミド電気泳動,さらに抗E-カドヘリンモノクロナール抗体を用いたECL-western blotting法によりE-カドヘリンを検出し,E-カドヘリンのリポソームへの導入を示した.次に,この再構成E-カドヘリンの機能に関して検討をおこない,リポソーム上のカドヘリンがF9細胞上のカドヘリンと相互作用可能であることを示唆する結果を得た. 2.糖鎖の関与する情報伝達機構をとおしての細胞機能制御-シアル酸含有リポソームとT細胞との相互作用.ポリシアロガングリオシド含有リポソームによるT細胞刺激現象のメカニズム解明のため、ガングリオシドのシアル酸残基に注目してモデル脂質の設計および合成をおこなった.ここではシアル酸残基にコレステロールアンカーを付けた構造を持つ人工モノシアロ脂質sialylcholesterolのうちスペーサー長の異なる2種を合成し、含有リポソームのT細胞刺激能を調べた。その結果、2種類のsialylcholesterol含有リポソームは共にT細胞を強く刺激した。特にスペーサー長が6であるsialylcholesterolを含有するリポソームは天然のガングリオシド含有リポソームをも凌ぐ強いT細胞活性化能を示した。この結果からT細胞刺激には、シアル酸残基のリポソーム表面での存在状態が重要であることが明らかになった。
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[Publications] K.Suzuki: "Direct Transfer of Blood Group Antigens from Human Erythrocytes to Liposomes" Transfusion. 36. 966-968 (1996)
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[Publications] Y.Okumura: "Supramolecular assembly of functionalized lipids" Supramolecular Science. 3. 171-176 (1996)
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[Publications] M.Yamamoto: "Study on Galactose Affinities with Cancer Cells and Liver Parenchymal Cells" Drug Delivery System. 11. 5-10 (1996)
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[Publications] T.Ariyasu: "Sensitization of Nude Mice Using Direct Liposome Transfer of Tumor Cell Antigent" J.Bioactive and Compatible Polymers. 11. 191-202 (1996)