1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07407015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
井廻 道夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (70134228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 隆志 自治医科大学, 医学部, 助手 (10254913)
森山 貴志 自治医科大学, 医学部, 講師 (10240706)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 細胞障害性T細胞 / パ-フォリン / Fas / TNF |
Research Abstract |
我々はHLAB44拘束性C型肝炎ウイルス特異的細胞障害性T細胞がHLAB44を有する慢性C型肝炎患者末梢血中に存在し,そのような細胞障害性T細胞はC型肝炎ウイルスコア蛋白アミノ酸残基88-96を最小エピトープとして認識することを先に明らかにした.更に昨年度は,HLAB44を有する慢性C型肝炎患者において,末梢血C型肝炎ウイルスRNA量とC型肝炎ウイルスコア抗原88-96に対する細胞障害性T細胞応答との関係を検討し,C型肝炎ウイルス感染においては細胞障害性T細胞がウイルスの増殖を抑制している可能性が高いことを明らかにした。本年度はどのような分子機構によりC型肝炎ウイルス特異的細胞障害性T細胞がウイルス感染細胞を傷害するか検討を行った.まず,HLAB44拘束性にC型肝炎ウイルスコア抗原88-96を認識する細胞障害性T細胞株,HLAB44遺伝子をトランスフェクトしたTNF及びFas抗体に抵抗性の肝癌細胞株(正常肝細胞の代用),TNF及び抗Fas抗体に感受性の高いTリンパ球腫瘍株(肝炎組織の肝細胞の代用)を樹立した.細胞障害性T細胞とHLAB44上に抗原を提示させた肝癌細胞株,Tリンパ球腫瘍株を種々の細胞比でインキュベートし細胞障害性を検討した.また,インキュベートの際に同時にパ-フォリンの阻害薬であるコンカナマイシンA,あるいは抗TNF抗体,あるいは抗Fasリンガンド抗体を添加し,C型肝炎ウイルス特異的細胞障害性T細胞がどのような分子を用いて標的細胞を傷害するかを検討した.その結果,通常の肝炎で見られる細胞障害性T細胞の数では,パ-フォリンの系がウイルス感染細胞の障害に最も重要な役割を果たしており,Fas/Fasリガンドを介する系とTNFはウイルス非感染ではあるが肝炎そのものの影響でFasの発現が増加した肝細胞の障害に関与していることが明らかになった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kaneko,Takashi: "Three new cytotoxic T cell epitopes identified within the hepatitis C virus nucleoprotein" Journal of General Virology. 77. 1305-1309 (1996)
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[Publications] Hiroishi,Kazumasa: "Cytotoxic T lymphocyte response and viral load in hepatitis C virus infection" Hepatology. 25(印刷中). (1997)
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[Publications] Ando,Kazuki: "Perforin,Fas/Fas ligand,TNF-α pathways as specific and bystander killing mechanisums of hepatitis C virus-specific human CTL" Journal of Immunology. (印刷中). (1997)