1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07407042
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
石井 清一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20001000)
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Keywords | ヒト胎児頭蓋由来骨芽細胞 / ヒト骨内シアル酸含有蛋白 / 骨肉腫細胞株 / ヒートショック蛋白hsp90 / 抗腫瘍ワクチン / 分子生物学 |
Research Abstract |
1)ヒト胎児頭蓋由来骨芽細胞(SV-HFO)のin vitroでの細胞分化および脱分化にあたえるデキサメサゾンとTGFβ_1の役割を解析した。デキサメサゾンの添加後、SV-HFO細胞のテトラネクチンとA1-paseのmRNAが発現し、石灰化が促進された。一方、TGFβ_1の添加はデキサメサゾンによるテトラネクチンとA1-paseの発現と石灰化を抑制した。骨芽細胞の分化と脱分化におけるデキサメサゾンとTGFβ_1の役割を明らかにしたことは、骨肉腫の成因解明の手段として、これらの物質を導入できる可能性を示していた。 2)ヒトの骨肉シアル酸含有蛋白を精製して、モノクローナル抗体を作製した。正常骨組織と悪性骨腫瘍での局在を検索したが、骨形成能を持つ腫瘍細胞の間質に陽性を示した。骨内シアル酸含有蛋白は、骨中Ca結合蛋白とともに悪性骨腫瘍の診断に有用であることを示していた。 3)ラット骨肉腫細胞株(MSK-8G)にB7遺伝子を導入してB7を発現させることに成功した。もとのMSK-8G細胞を皮下に移植したのち、B7発現骨肉腫を接種すると、もとのMSK-8G骨肉腫が拒絶される現象を見出した。骨肉腫細胞株(MSK-8G)を用いた研究で、B7遺伝子を導入した骨肉腫細胞のvaccination therapyのモデルを作製したことは、骨肉腫の化学療法と併用することで、治療成績を更に向上させる可能性を示していた。 4)ヒートショック蛋白hsp90はcdc2と会合することを確認した。骨肉腫細胞株(HOS)にhsp90-cDNAの遺伝子を導入してhsp90を発現させることに成功した。hsp90高発現のHOS細胞の増殖性が抑制されることを確認した。骨肉腫株(HOS)にヒートショック蛋白hsp90を高発現させることで骨肉腫細胞の増殖が抑制されたことは、骨肉腫の温熱療法に理論的根拠を与えるものであった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 川上篤志: "90kDa 熱ショック蛋白質の細胞増殖における役割" 札幌医学雑誌. 63. 1-7 (1994)
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[Publications] Fujisaki Toshihide: "In vitro chemosensitivity assay for human osteosarcoma using tumor xenografts" Clinical Orthopaedics. 313. 279-285 (1995)
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[Publications] Inoue Atsushi: "70-kDa heat shock cognate protein interacts directly with the N-terminal region of the retinoblastoma gene product pRb" J.Biological Chemistry. 270. 22571-22576 (1995)
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[Publications] Iba Kousuke: "Glucocorticoids induce mineralization coupled with bone protein expression without influence on growth of a human osteoblastic cell line" Cell Structure and Function. 20. 319-330 (1995)
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[Publications] Kaya Mitsunori: "A single ets-related transcription factor,E1AF, confers invasive phenotype on human cancer cells." Oncogene. 12. 221-227 (1996)
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[Publications] 石井清一: "悪性骨軟部腫瘍治療の進歩" 関節外科. 15. 23-25 (1996)