1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07451083
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
若松 寛 京都府立大学, 文学部, 教授 (60046472)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 伸也 京都府立女子短期大学部, 助教授 (30212137)
渡邊 伸 京都府立大学, 文学部, 助教授 (70202413)
渡辺 信一郎 京都府立大学, 文学部, 助教授 (10031618)
河村 貞江 京都府立大学, 文学部, 教授 (70111911)
|
Keywords | 帝国システム / 英雄叙事詩 / 民族 / 宗教 / 言語 / 儀礼 |
Research Abstract |
平成9年度は、5回にわたる共同研究会を通じて、ロシア東方諸民族のロシア化政策(研究協力・奥村)、ロシア帝国内部の教育政策(橋本担当)、モンゴル・ジュンガル帝国史研究の諸問題、ジュンガル帝国の文化的統合の考察(若松担当)、唐王朝の儀礼を中心とした帝国構造(渡辺信一郎担当)、ビザンツ帝国の都市・教会からみた統治システム(研究協力・根津)、の各報告を受けた。これらのより具体的な事例をもとに、各帝国・地域における多様な実態を分析するのに有効なそれぞれの観点を活かしつつ、帝国システムとしての比較のための基準・方法を策定することを目標として、討論した。 各帝国の理解への具体的なアプローチとして、地域で異なった民族政策と身分制原理を持っていたロシアの教育システムの変化を帝国から国民国家への変貌という視点から検証すること、ジュンガル帝国では国家・民族的統合を形成する要因としての文化的伝承を考察すること、唐王朝の支配・従属関係の具体化として儀礼と富の再分配を検証すること、ビザンツ帝国における教会・都市構造の分析から地域支配の解明とネットワークの抽出することの有効性が提起された。 これらをふまえて、帝国システムを比較する方法として、統合機能の観点を措定し、地域・民族・文化などのいくつかの側面から、その維持・再生産のメカニズムの解明に焦点を当てる方向で、さらに検討を試みることが確認された。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 若松 寛: "《江格爾》戦槍崇拝的譜系" 西北民族研究. 第2期. 216-218 (1996)
-
[Publications] 河村貞枝: "ヴィクトリア時代のイギリスの中流家庭での女子教育" 『家と教育』(シリーズ比較家族4)(早稲田大学出版会). 115-146 (1996)
-
[Publications] 河村貞枝: "イギリス・ヴィクトリア期のフェミニズムと帝国主義" 『ジェンダーと女性』(シリーズ比較家族8)(早稲田大学出版会). (1997)
-
[Publications] 渡邊 伸: "農民戦争にいたるエルザス農村の社会経済状況について" 京都府立大学学術報告・人文. 48号. 31-56 (1996)
-
[Publications] 橋本伸也: "帝政期ロシア女子教育の編成原理とその変容" 京都府立大学学術報告・人文. 48号. 73-99 (1996)
-
[Publications] 橋本伸也: "帝政期ロシアの教育システム" ロシア史研究. 60号. 43-54 (1997)
-
[Publications] 渡辺信一郎: "天空の玉座〜中国古代帝国の朝政と儀礼" 柏書房, 278 (1996)