1996 Fiscal Year Annual Research Report
地層の粒度組成から水理条件を推定するための実験的研究
Project/Area Number |
07454127
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
増田 富士雄 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30091929)
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Keywords | 粒度組成 / 地層 / 水理実験 |
Research Abstract |
砕屑物の粒度組成を決定する水理条件や,同じ運搬様式で運ばれる砕屑物集団の粒度組成を,実験水路や粒度分析装置を用いて実験的に解明することを目的としている. 本年度の実験では,高精度の流速計の導入で,さまざまな水理条件での質の高い実験結果が得られた.その結果は,砕屑物の粒度組成から堆積時の運搬様式が推定できるというこれまでの多くの研究結果が,一面的で,本質的には間違った理解であったことを強く示唆している。すなわち,堆積物の粒度組成は,オリジナルな物質(実験に使用した砂)の粒度組成によって基本的に支配されていること,オリジナルの組成で堆積物の組成を規格化すると,同じパターンになることなどが分かった.特に,浮流する粒子群では,特定の粒度のものが選択的に多く含まれることはなく,ある粒度より細かいものが同じ割合で水流中に存在すること,そして,なだれ落ちる粒子群や躍動する粒子群はごく短い移動でも,粒度分布を変化させることがわかった.さらに,実験水路で堆積させた乱泥流堆積物の粒度組成は,そのオリジナルの粒度組成での規格化によって,浮流によるものと同じパターンであることが新しくわかった. この実験結果は地層となった堆積物の粒度組成から当時の水理条件を推定することは,非常に難しいということを示している.また,さまざまな環境毎の粒度組成の特徴を,オリジナルの物質での規格化というパターンで眺めることは,今後の課題であり,自然界でのオリジナルな物質とは何かを知る試みは,砕屑物の粒度組成を新しい面から理解することにつながると思われる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Endo,N.et al: "Grain size distribution of sediment carried by single transportation modes in an expenmental microdetta system" Sedimentary Geology. 102. 297-304 (1996)
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[Publications] Takashimize,Y.et al: "Grain-size distribution of the upper pleistocene sand deposital in Makinohara upland Shizuoka,Japan" Jour.Geol.Soc.Japan. (印刷中). (1997)