1995 Fiscal Year Annual Research Report
鉱物の蒸発と凝縮のカイネティクス-反応速度の精密測定
Project/Area Number |
07454132
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土山 明 大阪大学, 理学部, 助教授 (90180017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 隆哉 大阪大学, 理学部, 助手 (20243131)
山中 高光 大阪大学, 理学部, 教授 (30011729)
植田 千秋 大阪大学, 理学部, 助教授 (50176591)
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Keywords | 鉱物 / 蒸発 / 凝縮 / カイネティクス / 珪酸塩メルト / 脱水 |
Research Abstract |
本研究の目的は、隕石や惑星物質の主要構成鉱物であるMg珪酸塩、Fe-s系の鉱物、珪酸塩メルト、含水珪酸塩鉱物などについて、蒸発・凝縮実験を行ない、これらの鉱物の蒸発・凝縮のカイネティクスを明かにし、その基礎過程を確立することにある。このために備品として超高温熱天秤(セタラム社TG92)を購入した。1700℃までの高温での重量変化の測定精度、温度のキャリブレーションなど、装置の性能を確認した。また、いくつかの含水珪酸塩鉱物の脱水実験(水の部分的な非調和蒸発実験)を一定温度でおこない、脱水量の時間変化からそのカイネティクスが議論できることを確認した。例えば、ブルーサイトでは脱水量は時間に直接的に比例し(線形速度則)、一方タルクでは脱水量は時間の平方根に比例(放物線速度則)することがわかった。また、アルカリ珪酸塩メルトからのアルカリ元素(NaおよびK)の蒸発実験を、1気圧Ar雰囲気中から真空までの低圧雰囲気下でおこなった。Kの蒸発とこれに伴うと考えられる同位体分別は、原始太陽系星雲の最高到達温度を推定するのに極めて重要であることが最近認識されるようになり、今回の実験もこのことを背景としている。重量の時間変化を測定した試料(蒸発残渣)の化学分析により、高温部での試料の重量減少はアルカリ元素の蒸発のみによるものであることが明かとなった。これにより、アルカリ元素の蒸発速度を求めた。一定温度での蒸発速度は、時間が経過するに連れて減少する。この原因としては、(1)蒸発時の組成変化によるアルカリ元素のメルト中での活動度変化、(2)蒸発したアルカリ元素の再凝縮などが挙げられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Tsuchiyama and M.Kitamura: "Phase diagrams describing solid-gas equilibria in the system Fe-Ms-Si-O-C-H and its bearing on redox states of chondrites" Meteoritics. 30. 423-429 (1995)
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[Publications] A.Tsuchiyama and U.Uyeda: "Evaporation and condensation kinetics and isotopic mass fractionation in the system Mg-Si-O-H,and Fe-S-H in rolation to the major element compositions of the Earth" The Earth's Central Part : Its Structure and Dynamics. Ed.T yukitake. 261-275 (1995)
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[Publications] M.Kitamura and A.Tsuchiyama: "Orisin of chondrules by collsion of comet-like and slightly differentiated bodies" Chondrules and the Protoparetary Disk. eds R.H.Hewins RH.Jones &E.P.R.Sctt(印刷中). (1995)