1997 Fiscal Year Annual Research Report
焼け付き機構の解明と摩擦材料の耐焼け付き性評価法に関する研究
Project/Area Number |
07455077
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
笹田 直 千葉工業大学, 工学部, 教授 (60016300)
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Keywords | 焼け付き / 摩耗 / 潤滑油 / 摩耗粒子 / 摩擦材料 / 接触 |
Research Abstract |
平成7年度において設計・製作した試験機を用い、平成8年度にひき続いて各種材料の焼き付け試験を行った。すなわちFe,Cu,Niの各金属に関する種々の摩耗組合せにおいて、いずれも焼き付きとは摩擦面間に発生したシビア-摩擦状態の移着粒子(摩擦面間にあって摩耗粒子として脱落する以前の粒子)が脱落できずに大型に成長し、摩擦面間隔を押し拡げ、摺動試片を上部につかえさせてしまう現象であることがわかった。この事実は焼け付きが摩耗粒子の移着成長脱落過程の一環であることを意味するものであって焼け付きの防止には大規模な移着成長過程の生じないような材料の組合せが必要であることが分かった。さらにはたとえ潤滑状態が悪くても、あるいは摩擦中にそれが劣化しても、大規模な移着成長を生じない乾燥摩耗状態、すなわちマイルド摩耗状態にあれば、二面間に焼け付きが発生しないことが明らかとなった。 以上の結果は従来云われてきたような、焼け付きが摩擦面温度上昇による融着現象ではなく、摩耗粒子の移着成長による機械内部荷重の増大による摩擦抵抗の急増であることを意味するものである。すなわち焼け付きの際の発熱はそれが焼け付きの原因なのではなく、上記摩擦抵抗の急増の結果なのである。したがって摩擦面温度の上がらない場合でも、大規模な移着成長の起こる場合には焼け付きは発生するのである。そしてこの研究で用いた試験機、すなわち二円筒端面摩擦形式で、上部円筒試片の上方移動のコンプライアンスを任意にとれる方式が、摩擦材料の耐焼け付け性試験機として有用であることが分かった。
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Research Products
(1 results)