1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455172
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 英紀 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10029514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 茂 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (70220465)
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Keywords | モデリング / モデル集合 / データ / 雑音 / 制御 / ロバスト制御 / 線形分数変換 / 二次安定化 |
Research Abstract |
モデル集合のシステム理論について、モデリングの側面と制御の側面の両方向から研究を行った。モデリングの側からは、データの有限性とデータに含まれる雑音という2つの不確かさをモデル集合の広がりとして定量化することに成功し、モデル集合の数多くの興味深い性質を導き出すことが出来た。ここで得られたモデル集合の表現は線形分数変換を用いた既知部分と不確かさ部分が完全に分離された取り扱いやすい形式となっており、制御とうまく適合したものとなっている。特にデータ数が増した場合のモデル集合の漸近的な性質について考察し、雑音が無い場合はデータ数の増加と共にモデル集合は一点に収束すること(不確かさがなくなること)を示した。 制御の側からアプローチでは2次安定化というロバスト安定化の一方法を詳しく考察し、モデル集合という観点からこの方法の特徴を明らかにした。モデル集合を安定化という立場から捉えたときに浮かび上がってくる幾つかの新しい問題を指摘することが出来た。なお、2次安定化の手法を「三慣性系」という制御のきわめて困難な対象に応用し、良好な成果を得た。 モデリングの側からの接近と制御の側からの接近がうまく結びついて新しい視点を生み出す地点まで現状では到達していない。今後の課題である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Zhou and H.Kimura: "Structure of Model Uncertainty for a Weakly Coupled Plant" Trans.IEEE AC. 40・4. 639-655 (1995)
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[Publications] S.Ushida & H.Kimura: "A Counter Example to Mustafa-Globers′Monotonicity Conjecture" Systems & Control Letters. 28. 129-137 (1996)
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[Publications] W.Kongprawechnon & H.Kimura: "J-lossless Conjugation and Factorization for Discrete-Time Systems" International Journal of Control. 65・5. 867-884 (1996)
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[Publications] R.Nagamune & H.Kimura: "Model Set Identification based on the Euclidian Norm" Proc.of the IFAC World Congress,Vol.1. 139-144 (1996)
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[Publications] 山本茂,木村英紀: "H^∞コントローラによる二次安定化制御と時変ゲインによるチューニング" 計測自動制御学会論文集. 32・4. 486-494 (1996)
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[Publications] 山本,牛田俊,木村: "可調整パラメータを有するH^∞状態フィードバックによる二次安定化" システム制御情報学会論文誌. 10・1. 11-17 (1997)