1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455197
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福岡 捷二 広島大学, 工学部, 教授 (30016472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大串 弘哉 広島大学, 工学部, 助手 (10274119)
日比野 忠史 広島大学, 工学部, 助手 (50263736)
川西 澄 広島大学, 工学部, 助手 (40144878)
渡辺 明英 広島大学, 工学部, 助教授 (00240474)
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Keywords | 水防林 / 高水敷 / 蛇行流路 / 洪水流 / 水面変動 / 河床変動 |
Research Abstract |
洪水から河岸沿いの住宅や畑地を守るために古くから水害防備林(水防林)が河岸沿いに植えられ、保存されてきた。近年では、河道内にある樹木帯は流れの抵抗になるために伐採され、川らしさが失われつつある。水防林の効果は、河道の平面形状や水防林の配置等によって変化する。本研究は、任意の河道の形状に対して適切な水害防備林のあり方と、水理学的にみて望ましい高水敷と低水路の間の流れの平面構造について、現地資料・模型実験・数値解析から明らかにするものである。 平成7年度は、吉野川、江の川の洪水資料、洪水航空測量写真、流速ベクトル解析データ、水防林被災資料、災害復旧資料、河岸・河床変動資料を解析し、低水路から高水敷にかけて群生している水防林の水理機能について検討した。次に、複断面蛇行水路において異なる水理条件で通水を行い、流れと河床変動を計測し、低水路と高水敷の間の流れの混合と河床変動の機構について検討を行った。この結果、水位が高水敷高さよりも高い場合には、低水路河道内の高水敷よりも下の部分で流れが速くなり、通常とは流れの向きの異なる二次流が形成されること、低水路内の主流は低水路の内岸から内岸へ向かって流れること、低水路の河床は最大主流速線上で大きく変動し、内岸近くで洗掘された土砂が次の内岸へ向かう途中で堆積することが明らかになった。また、水路内に水防林模型を異なる条件で配置して、水防林が流れや河床変動に与える影響について調べた。その結果、水防林がある場合では水防林がない場合と比べて、樹木群を通る部分での流速と流向は異なるが基本的な機構は同様であること、水防林を一部伐採するとその部分の流速が早くなることにより、周囲の水防林を流す危険性が高まることなどが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 福岡捷二,五十嵐宗博,高橋宏尚: "江の川水防林の特性と治水効果" 水工学論文集. 第39巻. 501-506 (1995)
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[Publications] 福岡捷二,渡辺明英,上阪恒雄,津森貴行: "低水路河岸に樹木群のある河道の洪水流の構造-利根川新川通昭和56年8月洪水-" 土木学会論文集. 509/11-30. (1995)
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[Publications] 福岡捷二,渡辺明英,新井田浩: "オギ・ヨシ等の植生の河岸保護機能の評価" 土木学会論文集. 503/11-29. 59 (1994)
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[Publications] 福岡捷二,渡辺明英,津森貴行: "樹木群を有する開水路における平面せん断流の構造とその解析" 土木学会論文集. 491/11-27. 41-50 (1994)
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[Publications] 福岡捷二,渡辺和足,柿沼孝治: "堤防芝の流水に対する侵食抵抗" 土木学会論文集. 492/11-27. 31-40 (1994)
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[Publications] 渡辺明英,福岡捷二: "樹木群を有する河道流れの境界混合係数fの評価" 土木学会論文集. 503/11-29. 79-88 (1994)