1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455244
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
大岡 敏昭 熊本県立大学, 生活科学部, 教授 (10131963)
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Keywords | 武士住宅 / 都市独立住宅 / 配置・平面原理 |
Research Abstract |
平成7年度の研究実績は次の通りである。 (1)福岡市の調査について ・福岡市の武士住宅の資料はこれまで不明であったが、今回の調査で城下町武士4例と地方役宅12例の絵図を確認した。それによると、福岡藩の武士住宅も全国的傾向と同様に正面型の配置平面であることが明らかにされた。 ・次に、大正期から昭和戦後期までの都市独立住宅の展開を現存する住宅の復元調査から明らかにした。その調査住宅は昭和戦前期の住宅39戸と昭和戦後の住宅16戸である。その結果、福岡市では明治以降から戦前までの住宅は、武士住宅の正面型の配置・平面原理と福岡藩独自の特徴的形式を強く継承していること、中廊下の導入は東京大阪よりも遅く、昭和10年第であること、独特の入母屋の外観様式が成立していたこと、などを明らかにした。このことは、戦前までの住宅は現代の住宅とは全く異なっていたことになる。 ・戦後の住宅復興は昭和25年位から本格化したが、それは小規模であり、その平面は完全に戦前までの公私室型のモダンな住宅が出現し始める。昭和27年には、福岡市で最初の計画的団地が住宅協会によって作られ分譲されるが、その平面の中にその公私室型平面がモデル住宅として普及してくる。その平面・配置は現代に繋がる南方位重視型である。 (2)金沢市と津山市については予定の半数調査(北入り住宅に絞って、武士住宅から明治、昭和戦前期の都市独立住宅)を完了した。その調査復元住宅は金沢市が15戸、津山市が16戸である。途中経過であるがその結果は次の如くである。 ・金沢、津山市ともに江戸時代の武士住宅は正面型の配置平面であり、都市(藩)独自の平面構成である。 明治以降の都市独立住宅も武士住宅と同じ正面型の配置・平面原理を継承しているが、中には、一部の住宅で現代の南方位重視型に繋がる平面も出現している。その階層は都市中間層の中でも上層の富裕階層にぞくする。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大岡敏昭: "福岡市における武士住宅の配置・平面原理" 日本建築学会研究報告(中国・九州支部). 9. (1996)
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[Publications] 大岡敏昭: "福岡市における昭和戦後の独立住宅の展開" 日本建築学会研究報告(中国・九州支部). 9. (1996)
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[Publications] 大岡敏昭 倉重加代: "津山市における明治以降の都市独立住宅の展開(1)" 日本建築学会研究報告(中国・九州支部). 9. (1996)
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[Publications] 大岡敏昭 倉重加代: "津山市における明治以降の都市独立住宅の展開(2)" 日本建築学会研究報告(中国・九州支部). 9. (1996)