1995 Fiscal Year Annual Research Report
工場的生産施設による野菜成型苗の育成法に関する研究
Project/Area Number |
07456015
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊東 正 千葉大学, 園芸学部, 教授 (80009323)
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Keywords | 苗生産 / 植物工場 / 成型苗 / 種子処理 |
Research Abstract |
成型苗生産の基礎となる育苗培地について、果菜類のトマト、キュウリ、葉菜類のキャベツ、レタスを材料に種類ごとに、ピ-トモス、バ-ミキュライト、パ-ライト、ロックウ-ル、もみがらくん炭、川砂、赤土等を用いて、好適な組成を検討した。結果的には、ピ-トモス主体の培地で好結果が得られたが、より省力的な培地を目ざして施肥方法を今後検討する必要性を感じた。 発芽勢強化のための種子処理法としては、ポリエチレングリコール、硝酸カリ、ケイ酸カルシウムを用いた、プライミング処理を行い、発芽が困難なホウレンソウ種子を用いて実用的方式を検討した。その結果、いずれの処理も発芽率、発芽勢促進効果がみられたが、中でもケイ酸カルシウムを利用したマトリコンディショニングの効果が際だっていた。処理方法の容易さや、処理液の廃棄などを考えあわせてもケイ酸カルシウム処理が有望であると思われた。 苗の育成ならびに順化時の光の強さ、光質、昼夜温、培地温、炭酸ガス濃度、室内湿度等の好適環境を究明する目的で、既存のグロースチャンバーを改造中した。グロースチャンバーには、今年度の主要備品である「光合成・呼吸測定装置」を組み入れた。しかし、備品の納入が遅れたこともあり、グロースチャンバーの改造が終わったところである。このため、苗の育成ならびに順化時の光の強さ、光質、昼夜温、培地温、炭酸ガス濃度、室内湿度等の好適環境の究明については、現在試験を継続中である。しかし、今年度中にほぼ予定の研究は消化できる見込みである。 現在、苗生産については、接ぎ木苗の単価が高いためキュウリ、トマトなどの接ぎ木苗生産が急増している。本研究では、接ぎ木苗の評価は行っていないため、次年度接ぎ木苗についても検討する必要が生じてきた。
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