1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の増殖を調節する新しい細胞間シグナル機構:微生物・高等生物の音波信号
Project/Area Number |
07456052
|
Research Institution | TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松橋 通生 東海大学, 開発工学部, 教授 (40013297)
|
Keywords | バイオソニックス / 音波 / 超音波 / 細菌 / 増殖制御 / 光音響効果 / 音波応答 / 電磁波 |
Research Abstract |
細菌を用い、平成9年交付申請書等に記載の平成9年度計画と同等の研究を以下のようにほぼ達成することが出来た。 1.大腸菌を用い、バチルス・カルボニフィルスとは反対に、スピーカからの可聴音域及びそれ以下の周波数の微弱な音波がストレス下の同菌の増殖を阻害することを見出した。 2.炭素要求菌バチルス・カルボニフィルスを用い、光音響変換により赤色光線及び赤外線のパルスを黒色の炭素や金属鉛に当てて音波を発生させて、その細菌増殖促進作用を測定したところ、スピーカからの同様な周波数の音波(と超音波)にほぼ似た増殖対応がみられ、同菌が音波に応答することが2つの異なった方法で確認された。 3.大腸菌及びバチルス。カルボニフィルス菌を用い、寒天固形培地の寒天濃度を変えて培養すると、大腸菌は低い寒天濃度の培地に、バチルス・カルボニフィルス菌は高い寒天濃度の培地によく生育し、その生育は金属板又は金属薄膜によって外部からの電磁波(可視光線、赤外線を含む)を遮蔽することによって大腸菌では高められ、バチルス・カルボニフィルスでは抑えられることを見出し、細菌が寒天固形培地表面で生育するとき、寒天に照射する電磁波によって影響されることを明らかにした。電磁波が寒天固形培地に音響を発生させ、細菌の増殖を制御していると考えられる。 4.大腸菌、バチルス・カルボニフィルス菌より音波応答の変化した突然変異株を分離し、それらの表現型を明らかにした。引き続いて変異した遺伝子の解析を行う。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Michio MATSUHASHI: "Growth-promoting effect of carbon material upon bacterial cells propagating through a distance" Journal of General and Applied Microbiology. 43・4. 225-230 (1997)
-
[Publications] Michio MATSUHASHI: "Production of sound waves by bacterial cells and the response of bacterial cells to sound" Journal of General and Applied Microbiology. 44・1. (1998)
-
[Publications] Michio MATSUHASHI: "Antibacterial Therapy 第2章 β-Lactams" Springer Verlag,Berlin,Heidelberg,New York, 9 (1997)
-
[Publications] Michio MATSUHASHI: "New Horizon of π-Electron Materials:From Carbon to Biosonics" Springer Verlag,Berlin,Heidelberg,New York, (1998)